のんべんだらりといきましょう

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dele 7~最終話

7話

いやいや本当に「すっごい気持ち悪い」!!だが、すっごい面白かった!!
飲み込めない泥のような黒い塊を押し付けられたような感じ、後を引くようなイヤ~な感触、なのにあまりに見事な作りを見ていて気持ちよさも感じる不思議さ。
どこにでもあるような住宅街、静かで平和な日常も、一皮むけば歪んだ欲望やエゴや暴力にまみれていた。不倫、暴力、ドラッグ、選挙違反…だけでなく、犯罪者の子供だからと化け物のように迫害する住人たちも、同じように歪んでいたと思う。それを見て、ドラマの世界が自分のいる場所と繋がってしまったような居心地の悪さを感じた。
死刑囚笹本が「犯人は町にいる」と言っていたが、真犯人とはまた別の意味で町全体が犯人でもあるんじゃないかなと思った。再開されたバザー会場で、罪や闇を隠して笑顔で談笑する住人たち、「もう終わったんだから」とばかりに少女の肩をつかむおばさん、タカシを迫害していた住人たち、みんなが事件を育ててしまったような気がした。


最終話

1時間のドラマとは思えない濃さだった!面白過ぎてあっという間に時間が過ぎるってのはよくあるけど、面白過ぎてこんなにいろんな情報が入ってくるのにまだ20分しかたってない!と逆に時間がゆっくり進んでいるような、変な気分になった。
6、7、8話と、後半は人の悪意が根底に流れるお話できついものがあった。妹の死の真相を隠ぺいした仲村やそれに直接関与した人達の罪はもちろんだけど、ネットで無責任に煽り糾弾し踊らされた顔の見えない人達の悪意も恐ろしいよ。
怒りと後悔で爆発してもおかしくない状態の祐太郎が、ケイの父親が残したデータの公表をはっきりと拒否する姿に、強さと優しさと闇に染まらない明るさが見えてぐっときた。ケイの最高の相棒だねぇ。
覚悟を決めて姉に報告に行き「とてもうれしい」と言われた時の笑顔、新しいアプリを「少しだけ優しい気がする」と褒められた時のうっすらと見えた笑み、ビラを配るという祐太郎の提案を断る時の苦笑い、顔をほころばせるような描写はあまりなかったので、ケイの笑み3連発が印象的だった。
脚本家が毎回違うという手法で作られているというのは途中で知ったのですが、そのおかげで様々なテイストのお話を見る事で出来た。好みはそれぞれだと思うけど、1話1話がひとつの世界観できっちりまとまっているから、変に混乱することもなくひとつのお話にどっぷり浸かって楽しめました。面白かった!