のんべんだらりといきましょう

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アイアムアヒーロー

(ネタバレもあります)


面白かった!特にラスト30分の盛り上がりは素晴らしかった。原作を読んでいるので、序盤こそ原作と比べながら流れを追っているような気分だったが、中盤以降、特にアウトレットモールに到着してからは集中して楽しめた。
主人公の英雄役は大泉洋。大泉さんと英雄ってイメージ繋がらない…なんて思ってたのだが、想像以上に英雄だった!大泉さんの演技を改めてすごいわと感心しました。自信のなさげな、冴えない表情を散々見せつけられていたのに、ラストの地下駐車場での戦いは見違えるほどかっこよかった。ショットガンという強力な武器を携帯しているにもかかわらずなかなか使うことができずに、見ているこっちが「なぜ使わないのか!」とストレスを溜めまくった後だからこそ、最初の1発は最高にカタルシスがあった。ヒロインたちが絶体絶命のタイミングだったからこそ余計に。その時の様子も、激昂するとかテンションを上げてなどではなく、淡々と静かに自分の仕事をこなしていくかの様子がまたかっこいい。
ZQNの造形も、ゾンビでありながら完全に別の「異形の何か」でもあり、かなり作りこまれていた。見た目だけでなく、動きの派手さや個性などとてもよくできていると思った。R15指定なので、かなり容赦なく血肉が飛び散る展開だが、ただただグロいだけという印象は受けなかった。
吉沢悠岡田義徳も良かったが、狂気という意味ではドランクドラゴン塚地武雅が一番目を引いた。じわじわ来る恐怖。いやこれは怖ったよ。
気になったところといえば、高速道路でのカーチェイスがあれほど激しかったのに、英雄たちがほぼ無傷なことに違和感覚えたのと、ダブルヒロイン有村架純が後半眠りっぱなしだったのは勿体なかったかなぁと思った事。眠ってしまうのは原作通りなので仕方ないのだけどね。
あと、映画ではヒステリックなだけだった恋人のてっこにもフォローがあったらよかったのにと思った。自ら歯を折ったのは英雄を噛んでも感染させないためじゃないかと英雄が思いをはせるシーンが原作にあるのだけど、あの場面が大好きだったから入れて欲しかったな。