のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

チェイス〜国税調査官〜 #3〜6

3話
ラスト、村雲の電話に翻弄される春馬見てて、今すぐに電話を切って!村雲の言葉には力がありすぎるから!とハラハラしてしまった。『リミット』の時もそうだったけど、ARATAの話し方(リズム、声色、間の取り方など)って聞いてる側を追いつめて信じ込ませる力があるような気がする。雰囲気に呑まれるってこういうことなのかな。
そんな村雲と春馬だけど、腹に抱えているものが村雲にあるとはいえ、酔っ払ってざっくばらんに話している姿は和んだなぁ。大抵厳しい表情か冷たい表情をしている村雲が、怪しまれないようにか穏やかで普通の顔をしているのが良いです。
ところで、何なのあの娘は。母親の保険金を使って金儲けでもしようというのだろうか。知識も頭もなさそうなのに大丈夫なのか?理由が次回以降に語られるだろうけど、あれ見ただけだと失敗して痛い目をみればいいのに!と全力で思ってしまいます。でも、お母さんが遺したお金がバカみたいに失われてしまうのは悲しすぎる…。


4話
村雲と春馬が男2人で「美味しい!」などと言いながらケーキ食べてて、ほのぼのしたと思ったら、そんなものはほんの一瞬で、後半はかなりヘビーな展開だった。これまでは脱税指南役と査察官の追いつ追われつな仕事メインの展開だったけど、人間関係やその背景がはっきりしてきて、さらに深くて濃い人間ドラマになってきた。
統括がスキャンダル発覚後、ひとりデパートの屋上のような遊園地で乗り物に乗っている姿にちょっと泣きそうになったんだけれど、実は息子と和解していなくてキャッチボールもただの壁に向かって投げていただけというのが分かった時は本当に重い気持ちになった。壁に残ったボールの跡、遊園地で最後に呟いていた「100円頂戴」に込められた思いなどを考えたら憂鬱な気持ちになってしまったよ…。
村雲の過去もかなりはっきりしてきた。誘拐、腕の切断にも驚いたけれど、一番衝撃的だったのは母親が餓死したって事。病死、事故死はあり得るけど、餓死って…。一体何があったんだ。村雲はそれをそばで見ていたのか、それとも村雲が母と別れた後にそうなったのか。この過去も気になるなー。
村雲の真実を知ったと思われる歌織が、彼を救いたいと思っているようだが、彼にとっての救いが何なのかがまだ分からない。お金じゃなくて、何なんだろう。多くの人と時間を犠牲にして税金を逃れるくらいなら、もう相続税で2900億払っちゃえばいいじゃん、2900億も残るんだから!とつい考えてしまうのは、億単位の金の意味が分からない庶民だからかな。
娘はもうそろそろ痛い目にあったほうがいいと思う。


5話
ラストシーン、母が生きていると告げられた村雲がどんな表情で振り返るのかとドキドキしてしまった。今回は村雲の感情の揺れが大きくて見ごたえあったなぁ。檜山に父親はいるかと問われた時の冷たい笑顔、人工呼吸器をはずせと指示する時の搾り出すような声、父を殺した後のあの表情に復讐を成し遂げた嬉しさなんて当然微塵もなかった。少し意外だったのは、仕事のパートナーであるウォンが死んでしまった時の取り乱しよう。自分以外は何者も信用しないかと思っていた村雲が、必死にウォンを止めようとするとは思わなかった。死人は出ないと自信満々だったのに、結果として自分の信頼しているパートナーを殺してしまったという結末も皮肉だったな。
それにしても母親は生きていたのか!平田満が登場した時に驚いたんだけど、いち警察署長役で終わるわけないか。誘拐された母親に向かって「お金のあてはあるのかね?」と聞いたときもちょっと不気味な感じだったし。大金を手にした事と、村雲の母を囲っている(?)事、餓死したと偽っている事、誘拐された村雲の救助に向かった時の憤りや悲しみは本物だったのか。射殺された誘拐犯は何で村雲を拘束するような事もせず、身代金獲得を失敗するまでは普通に接していたのか。頭の良いはずの村雲が、誘拐されている事を分かっていながら何故のん気な様子を見せていたのか。この誘拐事件もまだまだ気になることだらけです。
株で失敗した娘は、正直ざまぁとしか思えないけれども、統括の悲しい親子関係を見た後だから春馬との気持ちのすれ違いも解消されて良かったんじゃないかと思えました。


6話
歌織の言うように、村雲は確かに「いい子」だった。母親を想う素直ないい子すぎてその報われなさに悲しくなったよ。冷徹で一切の情などなさそうに見えた村雲と、あったかもしれないもうひとつの人生「穏やかで優しくいい子であったかもしれない村雲」、両極端に見える人物像が村雲の中に同時に見えて彼の言葉にものすごく納得してしまった。人を狂わせるのは眩しい希望かー。
誘拐事件について確かに謎が多かったけど、これで理解できました。見せしめのために息子の腕を切り落とした事まで含めて母親の計画だったというのにゾッとしたよ。怖い!怖すぎる!!何だったら、檜山の家に金を盗みに行かせたのも母ちゃんの指示だったのか?村雲が訪ねてきた事を告げられた時にどんな表情をするのか、その瞬間が怖くもあり、楽しみでもあったけど、顔色ひとつ変えず、動じる事もなく拒否したのには震えた。涙を流して詫びる展開を見たかったわけじゃないが、春馬に村雲に変わって一発ぶん殴って欲しかったと思ってしまったくらいだ!村雲はそんな母親の態度を知らずに逝ってしまったが、きっと自分が完全に捨てられていると分かっても母親を恨んだりできないんだろうなぁ。村雲のそこまで母を慕う気持ちってどこから来るんだろう。村雲にとって母親って、あの髪をとかしてあげる場面を見ると、純粋な思慕だけじゃなく美しいひとりの女性としての恋焦がれる気持ちみたいなものがあったのだろうか。
査察官と税務コンサルタントなのに刑事ドラマ並みの大立ち回りや、焼身自殺で美しい幕引き?かと思ったら瞬間移動で車に乗ってたとか、手足を縛られた春馬がなぜ突然ダッシュできたのかとか、今まで追いかけていた方向とは全く別の場所(でも隣)でトラック横転事故…などいろいろ強引な展開もあったけれど、全編通しての緊張感や人間関係の濃さなどを楽しめたので満足です。面白かった!
地下室でのARATAの鬼気迫る演技も素晴らしかった。鼻血をたらしていてもARATAは男前だった。