のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

カーネーション

  • お父ちゃんの葬式で神宮寺さんの娘が再登場。最初誰だか分からなくて、その上「別嬪さん」とか言い出したから、これは笑わせパートですか?なんて思ったのに、あの神宮寺さんだと分かって途端に泣けてきた。お父ちゃんの生前の姿、糸子の子供の頃の事とか思い出しちゃうよね。
  • 電気屋、下駄屋のおばちゃんらの優しさが沁みる。初期の頃こそ無愛想だったりちょっと怖かったりな印象だったけど、今やおっちゃんら同様すっかり魅力的なご近所さんになってます。
  • 葬式後も、食糧不足だったりおばあちゃんがヨボヨボになったり、町内会での噂、家族への八つ当たりとキツイ展開が続いていたが、お母ちゃんのすいとんソングで脱力。あののんびりさと空気読めなさが良いほうに作用して和み効果抜群だった。
  • 久しぶりに糸子のダメな部分も出てた。葬式にはお金がかかる事を分かっておらず、何とかなると思った事。後先考えずに意地だけで行動しちゃう所は相変わらず。ただし、「自分は特別と思い上がっていた」というような内省ができるようになっているのはいろんな経験をして大人になったって事なんだろうね。
  • 遺影のお父ちゃんが大活躍する話も多くて、さすがお父ちゃんだね!とニヤニヤしてしまう。あの遺影の表情も良いわ。婦人会のおばちゃんらへの啖呵は確かに堅気じゃないと思わせる迫力があった。身内にすら疑われる糸子が笑える。それにしても、このドラマは何が伏線になるか分からないから面白いね。まさかお父ちゃんが優子の髪を守った事が、後々ミシンも守る事に繋がるとは。かつて、確かお父ちゃんが疥癬で病院に通っている時に、トンビが…と気にしていたのも実は何か意味があるんじゃないか…!とか思ってるんですが、それはさすがに関係ないですよねー。
  • あの奈津が夜逃げ。糸子に話を持ってきた時も苦しい状況だったろうに、綺麗な着物を来て精一杯しゃんとして見せたのかな。糸子に頼むくらい(本人のプライドは許していないようだが)追い詰められていたのに、やっぱり素直に助けてと言えない奈津が奈津らしい。ビジネスや!とツンツンしている奈津は可愛いくて大好きだけど、がっくりと膝をつく彼女にはもういつもの力がなく、ポッキリと折れてしまったようだった。
  • 奈津にあれだけ正面切って説教できるのは糸子だけなんだろうね。奈津の父親が亡くなった時も我慢する彼女を泣かすと息巻いていたし。奈津は奈津で、祝言当日に糸子を背負って運んでくるし。一見交わらないようで、張り合いながらも、二人の間には強い繋がりがあったのが伝わってきた。どこかで読んだんだけど、「糸子と奈津、二人でスカーレット・オハラ」ってのに納得。
  • かんすけがーーーー!!かんすけがーーーー!!!!勘助には、何かにつけて糸子に怒られ、尻を叩かれながらのんびりと菓子屋で働き、結婚して子供産まれて、華々しい事はないかもしれないが、平凡ででも幸せで穏やかな人生を過ごして欲しかったよ。糸子を見て微笑む姿に号泣。勘助が最後に目にした糸子が、彼が幼い頃から知っている、怒って笑ってパワフルに生きている糸子で良かった。とは思うけど、やっぱり会わせてあげたかった。これでもう苦しい思いをしなくて済む、開放されるって思いながら出征するなんて辛すぎるよ。そして即座にお葬式かよ…。本当に容赦ない展開です。遺影を抱えるおばちゃんの目が声に出せない怒りに満ちていて、なのに全く生気がなくて、これもまた辛かった。おばちゃんもだけど勘助の頬がゲッソリしてて痛々しかった。役作りしててすごいな。
  • 八重子さんの様子がおかしい事を糸子は取り合わなかったけど、ここでも深く考えずに突っぱねてしまい糸子の悪いところが出てしまった。もちろん、あのご時勢だから糸子の言っている事は尤もなんだけどね。でも、あそこで違った対応をしていたらもしかしたら会えたかもしれないという、後からどんなに後悔してもやり直しのきかない選択だったのが辛い。幼馴染であり大切な友人が、あの衝突以来顔も合わせることができずそのまま遺影との対面って、後悔が残りすぎる。タフな糸子を見ていると喜びや生きがい、前向きさの方を強く感じるけれど、同じくらい喪失や後悔も抱えている人だよね。
  • 「殺し方と死に方を教える」って言葉が強烈だった。学校での様子は直接描写されない、あくまで糸子の見える世界の戦争が中心だけど、その言葉だけで十分な破戒力がありました。