のんべんだらりといきましょう

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きみの知らないところで世界は動く

ジーコ浅利陽介)一点のみを注目して見たのですが、途中で脱落するようなこともなくストーリーにもついていけました。セカチュー(映画)に比べればかなり楽しめた方だと思う。
ストーリーは、まさにセカチューの原点。でもセカチューより面白いと思ったのは、和哉(細田よしひこ)とカヲル(前田亜季)だけの物語ではなくて、そこにジーコの存在が大きく介入していた点。「君と僕」で完結していないところは好感が持てた。心が蝕まれていくカヲルをいらだつ和哉が追い詰めてしまう場面では、彼の行為も理解できたし、症状がでてしまったカヲルを優しく肯定するジーコの言葉も響くものだった。
ジーコはいいキャラだった。自分が浅利陽介贔屓というのを除いても、和哉よりもカヲルよりもこの物語の中心にいたような気がする。最後の告白もよかったし、「もう一度大学を受ける」と語った時の笑顔は印象深かった。時間が許すならばジーコというキャラをもっと深く見たかったなー。
「結ばれなくても一番愛している」というようなキーワードは何度も出てきたけれど、それをクラス会で再会した二人が言うのには引いた。そういうのは確認しあわないでせめて心で思っていてくれれば…と思ってしまったよ。あと、息子からのメールに「大人になるのはそう悪いことじゃない」という返信をするのは、青春時代の思い出と繋げるにはちょっと弱いかなぁ?という気がした。ジーコの死とカヲルとの別れを振り返った事で出る言葉がそれなのは、ちょっと釈然としなかった。