イチローの自然な演技に驚かされた。目の表情とか野球選手とは思えないほどだったよ！本人役ということで「イチロー」というパブリックイメージを見事に表現していたと思う。
ただ「今、甦る死」に比べるとお見事！と唸らされるような展開ではなかったかも。フェアプレーを好み、メジャーリーガーの肩や脚があるからこそ成り立つ犯罪で、常に心がけている「平常心」が失われたことによって崩壊してしまう犯罪という流れは分かりやすかった。でも、どうしても謎だったのは、殺人方法の2つのカプセル。あれって本当に2分の1の確率だったの？てっきり「マジシャンズセレクト」的なネタが仕込まれていると思ったのに、特に何もなかったようだ。もしイチローが毒を口にしていたら終了？いくらフェアプレーを好むといっても、ゲームに負けたら死んでもいいという気持ちで殺すような相手では決してないと思うのだが。
向島（小林隆）の弟がイチローという設定も衝撃的だった！そして笑った！でも、そのおかげでか、今回は古畑がどうやって犯人を追い詰めるか？ではなく、どうすれば向島とイチローは逃げ延びる事ができるのか？を考えながら見てしまったよ。もちろん、無理だったけど…。何かいつもの『古畑』にはない哀切を感じて泣きそうになってしまった（心配しすぎ）。
ただ、向島ならイチローが「俺がやる」と言い出した時に、絶対に止めると思うのだけどなぁ。弟を庇って犯人になるなら最初からイチローの実行を阻止していたような気がしなくもない。
子供たちに野球を教える場面のイチローは本当にいい表情をしていたと思う。カッコ良かった。
