のんべんだらりといきましょう

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ハニバニ! いくえみ綾

コミックス発売当時に読んだ時はピンとこなかったんだけど、急にもう一度読みたくなって文庫を購入。10年前に読んだ時より面白く感じました。当時は、椿の容赦ない傲慢さと冷たさに魅力を見出せず、優しくて理想的な心サマもそれほど…だったのですが、今読むと椿が良いなぁ〜。うのちよと椿の距離がちょっとずつ縮まって行くのが丁寧に描かれてていい。特にラーメン屋でのやりとりが好きだ。
椿の酷い仕打ちに耐えられるのはうのちよがポジティブで打たれ強いからだし、うのちよがタフで元気だから椿の冷たい言葉をまだ見ていられるという、2人のキャラクターのバランスが良く考えられてるんだなと今更ながらに思いました。
そしてやっぱりいくえみ先生上手いなぁと思うのは、椿の記憶が失われてから。それまで積み上げ来たものが全てなくなってしまう寂しさと切なさ、美しい思い出のせいで逆にみじめになるといううのちよの気持ちがガッツリと伝わってきて苦しくなった。