のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

カーネーション

昨年の最終週の感想です。

  • お父ちゃんの遺影に妙な説得力がある。写真だから表情が変わるわけでもなく同じ笑顔のはずなのに、喜びだったり悲しみだったり、あの遺影からその場面に応じた気持ちが伝わってくるのですよね。
  • 神戸のおじいちゃんがところどころに覚えててそれがかえって切ない。糸子が披露した千代ママのモノマネうまいじゃないか〜とか笑った後にあんな懺悔聞かせれるとは。ちゃんと善作の死は覚えているのが泣ける。
  • 市井の人々にとっての戦争の苦しさ辛さ重さがガッツリ描かれてて怖いくらい。無駄のあがき感やとにかく生きていくための必死さ、徒労感などがありありと伝わってきた…。あの糸子でさえ何も考えられなくなるほどの理不尽で混沌とした非日常を見てるのは、本当にきつかった。
  • 泥棒にまで身をやつしてボロボロになった奈津が男の手をとってしまったことがショック。あのプライドの高い奈津が…。もしかしてあのまま娼婦になってしまうのか?もーその衝撃があまりにも大きくて勝の戦死どころではなかったよ!
  • 泰造兄ちゃん戦死。八重子さんの悲痛な叫びももちろん辛いけど、勘助も亡くしたおばちゃんのことを思うと、もうなんでこんな事ばかり…と下駄屋のおっちゃんの気持ちが痛いほどよく分かる。何も考えられなくて、涙も出なかった糸子が、だんじり前で号泣する場面でもらい泣き。かつてはあんな賑わった力強い日常が確かにあったんだよね。お父ちゃん、勘助、泰造兄ちゃんみんな良い顔してたな…。