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ぼくの夏休み 少年編

昼ドラならではのトンデモ展開もありつつ、主演の子役二人の熱演、それを支える脇のキャストが良い味を出して、非常に面白いドラマでした。「でした」というのは少年編が終了し、キャストと脚本を一新して青年編が始まったので、この先はまた違った雰囲気になる可能性もあるので…。とにかく少年編は面白かった!!!
幼い兄妹が戦時中にタイムスリップするという設定、そして『ぼくの夏休み』というタイトルから、ノスタルジックでハートウォーミングなちょっと切ないひと夏の物語をイメージしてたのですが、初回からその想像は破られました!まず兄妹(和也とはる菜)はヘタレで甘えん坊、兄は妹の事が鬱陶しくて仕方ない様子、タイムスリップした先でも空気を読めず無駄な口を開いてピンチを招く妹、よそ者に厳しく冷たい村人、旅館の主は折檻エロオヤジ…と心温まる要素がひとつもない!冒頭の回想シーンらしき場面では、柱に縛られた和也がオヤジに竹刀で殴られ、その側ではグッタリする女性(あれはアヤコ?ちえ子?)が登場し、ドン引きしたのも懐かしい思い出です。結局この場面が再び登場することはなかったので、あれは何だったのか今でも謎ですが。
最初は現実を受け入れられなかった兄和也ですが、様々な出来事や優しい人達の出会いを経て、立派な兄へと成長します。はる菜を守って生き抜こうとする姿が健気で、何度もホロリとさせられた。「君は十分に頑張ってるよ…偉いよ!!」といつの間にか和也を全力で応援できるようになりました。理不尽な暴力や扱いにもめげず、信用できる人と信頼関係を築きながら必死で生き抜く姿に夢中になりました。
悪意に晒されると同時に、兄妹に優しく手を差し伸べてくれる人もいたりして、そのメリハリも良かった。初めての兄妹の理解者となったマツおばあちゃん、最初は厳しい拒絶を見せたものの後に温かい保護者となった佐代お母さん、和也に兄としてすべき事や生きる意味を教えてくれた省吾さんなどなど、とても良いキャラでした。良いキャラというと、善良という意味ではなく面白いという意味での女中・アヤコが強烈だった。本能のままに生きてて他者との関わりに頓着しないような面白いキャラでした。同じ女中として働くちえ子との黒白の対比も鮮やかだったなー。
少年編最終週の盛り上がりも半端なかったです。はる菜が女郎屋に売られてしまった事を知らない和也は「はる菜は死んだ」と伝えられて激しく動揺、そして今度はタイムスリップの秘密を共有した省吾さんが特攻隊に志願して出撃してしまう…の流れには号泣してしまった。省吾さんがねー本当に良い人なんだよ!!このドラマの良心だったんだよ!終盤の、会えそうで会えないすれ違う兄妹場面はさすがにやりすぎ感もあったけれど、その紙一重のすれ違いにハラハラしたおかげで二人が再会できた時は本当にホッとしたよ…。
エロ折檻オヤジ(大五朗)役だった升さん、病的に性格が歪んでいる次男(勇作)役の森永悠希くんは、最後まで嫌われ役をしっかり演じてて見事でした。だって、この二人の酷さは本当にぶっ飛ばしたくなるレベルだったもの!それほど気持ちを昂ぶらせるような演技をしてくれてわけですし、影のMVPだったのではないかなぁ。
青年編になって、栄次郎と和也が一緒に暮らしていたり、はる菜の他にニセはる菜がいたりと、どういう状況なんだ!?と軽くパニックになりましたが、空襲に巻き込まれた後の7年間がこれから少しずつ説明されていくのかな。一緒に駅にいたはずのキクちゃんは?耕作兄さんは?未来ちゃんは?未来ちゃんが椎名一郎と結婚して和也たちのおばあちゃんになると思ってるんだけど違うのかしら。大五朗と勇作は空襲で亡くなったのかなー。