隆太（青木崇高）と繁樹（尾上寛之）の探偵ごっこは見ていてあまり盛り上がらなかったけども、星野に刺されてしまう場面はガツーンときた。隆太はあの瞬間、三上を刺したかつての自分の気持ちと刺された側の三上の気持ちの両方を感じることができたのだ。「俺だけが悪いわけじゃない」と心のどこかで思い続け、かねてから大室（杉浦直樹）に「相手の気持ちを理解して」と言われ続けてきたその葛藤が昇華され、はっきりと隆太の中で新しい人生を生きなおすことができるようになった瞬間。
そして、ストーカー女（馬渕英俚可）すら隆太の気持ちを理解し、万事解決か？と思った最後に三上の母（藤真利子）からのカウンター。正直、「刺された三上にも全く責任がないわけじゃないよね」と思っている訳ですが、どんなダメな子であったとしてもやはり母親、息子を失い、侮辱され、傷つけられて、ああいう状態になってしまうのには頷けた*1。同時に隆太の母（銀粉蝶）が、必死に頭を下げ土下座をして詫びる姿に泣けてきた。子供がいくつになろうと母親は母親なんだよね…。個人的には、加害者の人権、被害者の人権と話を大きくせずに、子供を失った母だけに焦点を当てても良かったのかなぁという気もする。
隆太は本当に恵まれているよね。家族も工務店の人たちも皆隆太を信じてくれている。対照的なのが、傷害で逮捕されてしまう宏介（桐谷健太）。隆太のように明日に向かって生きていける人もいれば、立ち直れずに何度も繰り返してしまう人もいるんだろうな。
*1:まさかビラまでとは思わなかったけど
