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天帝妖狐 乙一

天帝妖狐 (集英社文庫)

天帝妖狐 (集英社文庫)

短編2作収録。

  • A MASKED BALL─及びトイレのタバコさんの出現と消失─

サラサラと読める。そしてサラサラ読んでいるうちに、あっという間に終わってしまった。

  • 天帝妖狐

これは号泣できるであろう!と踏んで読んだ。あらすじ紹介文と作品の設定が、私のツボにかなりヒットしそうであったから。しかし、読み終えてみると、残念ながら号泣にはいたらなかった。
夜木の抱えた絶望は永遠に終わることはないんだという苦しさと、最後に見出した一筋の希望の光が彼を救い続けるであろうという温かさが混ざり合って、切ない気持ちが残る作品だった。最後の一文が心に残った。