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虫と歌 市川春子

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

非日常を当たり前のように日常に取り込んでいる生きている人たちを描くSF作品…なのかな。最初は、その世界観に戸惑いながら読んだけど、読み進めるにつれて完全に浸ることができました。面白かった、読み終わった後にボンヤリしてしまった。4編の中では『日下兄弟』が一番好きだ。野球部のメンバーのユーモラスなやり取りが面白いし、ヒナは可愛いし。切ないんだけど、温かい気持ちにもなる話だった。一読では意味が分かりづらかった『ヴァイオライト』は繰り返し読んでいるうちに、あの悲しさと想像する余地のありまくる物語の虜になりました。扉絵の意味も一度最後まで読まないと分からなかったよ。砂糖と電気の化学反応?は未だに理解できていないんだけど。