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椿鬼 1 押切蓮介

椿鬼 (1) (ぶんか社コミックス)

椿鬼 (1) (ぶんか社コミックス)

醜悪な人間の姿や恐ろしい自然の姿が、感情むき出しに描かれていて相変わらず容赦ない。「紅の谷」は、主人公の椿鬼がほとんど出てこず、次の「椿鬼」に続く形になっているけれど、エグさと恐怖と哀切が詰め込まれていてその1話でも十分に楽しめました。悪鬼となった人間も怒れる山も本当に禍々しいので、それに対する1話の老婆や笛江のような弱者の哀れさや切なさがより強調されていた。そういうところも惹きつけられます。『ひかりの森』は、オチが分かるのだけれども、それでもそんな心の準備を軽々飛び越えて鬱々としたラストを見せてくれます。