- 作者: 玄侑宗久
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: 文庫
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病に苦しむ浄念の目に映る世界、彼の心の中の描写は、とても視覚的でイメージしやすいように思えたのですが、難しい部分もあって、そしてその病気について本質的なことを理解していないせいもあってか、完全に理解できなかったような気がします。
しかし反対に、浄念の妻、住職の玄宗とその妻の麻子、3人から見た浄念の描写はとても分かりやすく納得できるものばかりだった。まるでマトモでないように見える浄念の行動や気持ちを理解しよう、寄り添おうとする、周りの人たちの戸惑いと温かさは、最初はそれが浄念を追いつめるのじゃないかとハラハラしたけれども、やはりそれがあるから読んでいる私は安心して浄念がどこへ行くのかどうなるのかを見守る事ができたのだと思う。
映画を見たい。この浄念をスネオヘアーがどんな風に演じるのかを見てみたくなった。