ライチ☆光クラブ 古屋兎丸

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)

愛と性と死、耽美で醜悪で純粋で、エロとグロと狂気が詰まった作品。表現がかなりどぎつかったです。
以下、内容にも触れています。



醜い姿を持つライチが見せた人間らしいまっすぐな愛と、美しい容姿のジャンボが捧げていた歪んだ愛が対照的。でも両者とも根底にあるのは同じ純愛なんだと思うと不思議な気分になる。いろんな愛の形。
狂気のカリスマのゼラよりも、少年漫画の主人公のように仲間のためゼラに立ち向かったタミヤが好きだったなー。「ここは俺の“ひかりクラブ”だ！」は燃えた。そしてあと一歩が届かなかった最期も哀れだった。
スタート直後からすでに狂気の祭りが始まっていたけど、もう少しその前の段階から読んでみたかった。最初からメンバー全員が処刑をすんなり受け入れていたのに驚きました。リーダーだったタミヤが何故ゼラの言いなりになるようになったのか、いつから止まらない狂気の集団になってしまったのかが見えたら、ラストの空虚さがもっと突き刺さったのかもしれない。 たぶん、現在web雑誌『ぽこぽこ』で連載中の「ぼくらの☆ひかりクラブ」を読めばそこらへんが補完されるのかな。