のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

カーネーション

  • すごい1週間だった。糸子の人間的魅力が良くも悪くも強烈で彼女から目が離せません。
  • 戦争中でも何とか商売を繁盛させてる糸子と、家族も商売も不安定で参っている安岡のおばちゃんの対比が辛い。そんな中で糸子に対する視聴者(私)の不満を代弁してくれたかのようなおばちゃんの辛らつな言葉。カタルシスと共に哀愁やいたたまれなさなどが感じられて重苦しい気持ちになった。奈津が嫁入り前に泣いてしまった事や、弱音を吐く八重子さんを支えてた時のおばちゃんの優しさや強さを思い出してしまったよ。糸子は強すぎるんだよね。ただ、おばちゃんも商売のこと勘助のことで疲れきって、順風満帆に見える糸子へ嫉妬もあったんだろうね。もうカレー食べたり「糸ちゃん糸ちゃん」言って可愛がってくれたおばちゃんにはならないのかな。
  • そんな安岡のおばちゃんの言葉を、糸子は「妬み」で切り捨てたのはすさまじかった。もちろんそれも間違ってないと思うけど、勘助に関するおばちゃんの抗議はスルーして、全てを「商売の成功のせい」と受け取っておばちゃんを否定したのは糸子の弱さなのかな。勝ち負けで判断してしまっていいのか?と思わずにはいられなかった。自分の厚意が受け入れられなかったのは自分のせいじゃない、相手が受け入れる度量がなかったのだと考えている糸子が子供のように見えた。
  • 勝さんに関しても糸子は「自分に都合がいいか、自分の足を引っ張らないか」で判断していたようだけど、その勝さんも(糸子視点では)「自分の自由にさせてもらえるか、手がかからないか」で選んでいたのかもしれない…ってのに笑ってしまった。お互い様な夫婦…。あくまで糸子の想像でしかないから勝さんの本心は分からないけれど、劇場で浮気相手に鉢合わせしても上手くさばいていたのを見ると案外したたかだったんだなとは思う。謎な人だ。ただ、子供を深く愛していた事は分かる。あと、糸子よりもむしろお父ちゃんと上手くいってたのかなーって。お父ちゃんの前で号泣してしまったり、最後の晩は二人で飲み交わしたり。お父ちゃんも本当の息子のように思ってたんだろうね。
  • 私は糸子に正義の味方でいて欲しかったんだろうなー。いじめっ子にタイマン勝負で挑む、踊り子に給料をつぎ込む勘助を怒る、時勢に流されず嫌な事はイヤと言うというような。これまでも糸子のダメな所も散々見てきたにも関わらず、やっぱり正しい人でいて欲しかったんだと思う。だから、安岡のおばちゃんの件でがっかりした。強い女は好きだけど、「何があっても負けない」と言って安岡家と決別したあの時の糸子は、家族、商売と何も失っていない状態だったから、それが私の望む強さには見えなかったのかな。
  • 勝さんの出征で、糸子も安岡のおばちゃんの気持ちが分かるのかもって思ってたけど、浮気騒動でそれどころじゃなかった!が、この騒動によって糸子はかつてないほど夫について考える事になっただろうから、結果として家族(大切な人が)がいなくなる事の重さはジワジワと伝わってきてるって事なのかな。
  • お父ちゃんらに勝さんの浮気を「仕方のないこと」と擁護され、答えを求めた先が奈津だったのが良かった。しかも、奈津は「知らん」で終了。さすが奈津!勝さんの顔も覚えていないくらいの関心のなさで徹底してるわ。そして糸子は奈津の言葉に納得してるし。爽快すぎた。
  • 糸子って面白い。傲慢だなぁと思ってイラッとする事もあれば子供だなぁと呆れる事もあり、逆にその気の強さにスカッとしたり、大らかさや気風の良さに惚れ惚れしたり、あの挑む目つきに憧れたり。人間として面白いし嫌いになれない。やっぱり好きなんだなぁ。
  • 最後の火事のシーンは衝撃だった。火だるまって…。しかも予告がまた重くて泣けてきた。