のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

カーネーション

先週分の感想です。

  • 月曜日。周防さんと糸子の事よりも、北村の哀しさと情けなさを思うと胸が痛い。周防さんを職人として、商売人として再起不能に近い状態に陥れるほどの嘘をついた小ささや下衆さを含めて、北村が哀れだ。二人が不倫してるから追い出した!と言わなかったのは、北村のプライドか?それとも多少の気遣いか?どちらにしても二人を見て裏切られたと思ったんだろうなぁ。小原家で温かい団欒を過ごしたこともあるだけに、あの時の幸せな顔を思い出したら本当に悲しくなった。
  • 北村に決定的瞬間を目撃された周防さん。見られていると気づいていて、目が合っても動じずに抱きしめ続けていた、しかも北村が糸子を好きな事は知っていたのにって考えると相当なんですけど…。
  • 恋する気持ちを燃料にしてガンガン創作する糸子すげえ!さすが糸子。そういうところは大好きよ。
  • 火曜日。周防さんって、天性のたらしって事ですかね。妻子を捨てる気はないのに、告白する事でケリをつけようとしていた糸子の気持ちに応えて繋ぎとめ、糸子や妻子の事は考えずに自分の気持ちを優先して一緒にいたい、雇って欲しいってすげーな。その金で妻子を養うんですよね。これじゃあ、糸子も思いを断ち切れないですよねー。妻子を捨てて、その業を一生背負ってでも糸子と一緒にいたい…ならもっと素直に感情移入できたんだろうなー。糸子も組合長から事情を聞かされておきながら、相手の家族の事を完全スルーなんですよねぇ。それが糸子であり、恋する女なのかもしれないけど。
  • 水曜日。奈津の相手がこのおじさんなの!?!?ええ〜〜!!!今までの男前路線のこだわりを捨てたのか!?いや、それで失敗しているから、目が覚めたということでしょうか。奈津の過去をひっくるめて受け入れるような大きな男でありますように。そして、太郎は奈津が初恋の人なのかな。奈津は泰造兄ちゃんに失恋して、太郎は奈津に失恋て。このめぐり合わせに切なくなるわ。
  • おばあちゃんと直子のやりとりに和んだ〜。安岡家での会話、優子らのオルガン戦争と姉妹での意地の張り合い、おばあちゃんと直子など、何気ない日常生活が生き生きしてて面白いなぁ。
  • 木曜日。安岡のおばちゃんと八重子さんのショートコントー!何が始まるのかと思ったよ!奈津とヒゲおじさんの馴れ初めが一切省かれててやきもきするが、あの面食いで気の強い奈津の心を開いた人だから、きっと大きな心を持った優しい優しい大人な人なんだろうね。良かったねー良かったねー!今までの分を取り戻すくらいに絶対に幸せになって欲しい。人の嫁入りに感動して泣きそうです。陰に隠れてボロボロ涙をこぼす糸子も良かったねぇ。そして、初恋は実らない太郎はちと切ない。
  • えっ?春太郎!?春太郎きたーーーーー!って、恵さんのオネエキャラが炸裂してきた?
  • 金曜日。糸子つるし上げ会議。恵さんの「気色悪いものを職場に持ち込むな」は強烈で残酷な言葉だったけど、正直納得してしまった。例えば、自分の勤めている会社の社長が、特に必要もないのに突然社員をひとり雇うと言い出し、よくよく見たらその新入社員は社長の愛人でしたーって状況だったら引くものねぇ。恵さんに言わせたのも上手いなぁと思った。家族やご近所さんがこの言葉を言うには糸子との距離が近すぎるし職場だけにとどまらない話になる、昌ちゃんの場合は周防さんに憧れていたという私怨も含まれるかもしれない、でも恵さんなら純粋にオハラ洋装店を愛し、仕事に誇りを持って、糸子を尊敬していた立場で物を言えたんじゃないかな。だから、こんなに強烈に突き刺さったんだと思う。
  • この日が周防さんに対するイライラのピークでした。職場で抱きついてきた糸子を制するでもなく、抱きしめ返して「辞めましょうか?」ってアホか!なんで疑問形なんだよ!とひとりカッカしてた本当のアホは私です。店の状況、職場の雰囲気などを直に見ていながら「辞めます」って言わない周防さんすごい。どう言おうが糸子がそれを受け入れるわけないとは分かっているけどさー、でもねぇ。結論を糸子に出させようとする周防さんが怖いよ!
  • 男の浮気は甲斐性で片付けられた時代だったんだろうね。勝さんの時の庇いようと大違い。ただ、勝さんの場合、相手がプロだったからあっさりと流されたってはあるのかなぁ。例えば相手に店を持たせたいと金を出すほど入れ込んでたら、さすがにお父ちゃんやおっちゃんらが止めに入ったかもしれないけど。で、勝さんの弟まで家族会議に来たのには驚いた。勝さんの実家にも話が流れるほど大事になってたって事か。まぁ傍から見れば、忍ぶ恋なんて美しいものではなく、妻子ある男を囲う女社長の図だものね。ただ、勝(の遺影)に大してはお前が言うなと本当に思うけどな!
  • 最後の子供たちが哀れで打ちのめされそう。お母ちゃんのこと大好きなんだろうなあ。何が起こっているかはわからず(優子は薄々分かっているのかもしれないが)、みんながお母ちゃんをいじめている!でも、お母ちゃんは自分のやった事を受け入れて貫き通そうとしている!つまりお母ちゃんは間違っていない!お母ちゃんを助けなきゃお母ちゃんをいじめないで!で飛び出してきたんだろうね。子供らにあそこまでやらせて糸子は何を思うのか早く明日が見たいわ。
  • 土曜日。これ、周防さん大勝利で終わっただけなんじゃ。居辛くなった店は出られて、気持ちがすれ違ってきた糸子とは良い思い出でした風に綺麗に別れられて、新しい店を手に入れて、父ちゃんを心配する子供の待つ家に帰れて大成功?とはいえ、借金抱えたのは事実だし(月々返済2000円って高いの?安いの?)、あの店が繁盛するかどうかも分からないし、おそらく病気を抱えた妻との関係は酷くなっていると思うし、この後どうなるかは分からないんですが。
  • 子供らの土下座で糸子の目が覚めるとかと思ってました…逆だったのか。あれで結局うやむやになってたんですね。しかし、店は微妙な雰囲気。これが地味にダメージくるな…。どんな時も明るくにぎやかだったお店のしらーっとした雰囲気に私が耐えられない。「ちゃんと儲けてるから誰も何もいえない」って本当に糸子の強い部分とダメな部分が出てたなー。八重子さんも思うところあるけど言えないって感じだったものね。それは家族も近所のおっちゃんらも店の人たちも同じなんだろうね。
  • 周防家への土産の団子も用意するのはさすがにやりすぎでハラハラした。糸子の悪気のない「毒」が炸裂してたな。囲い込みの追い詰めが半端ないわ。どう取り繕っても、糸子の渡す給料で周防家は生活してるわけだし、周防さんの子供たちだって誰がくれたお菓子か分かっているだろうけどお腹は空くしおいしそうだし…なんて考えながら暮らしてるのかなーと想像したら重過ぎて辛い。自分以外の女の所にいく夫を送り出し、その給料で生活する奥さんの屈辱も思うと。
  • 「命短しこいせよ乙女」と言ってる糸子を見る昌ちゃんの冷たい目が怖かった…。
  • 周防さんは本当に最後まで受身だったなぁ。「好きだった」→「おいも」、「私は周防さんを幸せにできない」→「おいも」って最初から最後まで受身。そのブレのなさは最後まで見事だった。
  • 糸子はねー、実に糸子らしい恋だったとも思うのです。周りがなんと言おうと進む時は進む、そして自分が納得したらきっぱり諦めて次へ進む。洋裁屋として女として、燃えるような恋は必要だったんだろうね。やっぱりここまで糸子の成長を見てたわけだから、その彼女が彼女らしい生き方や恋をしていたら嫌いになんてなれないわ。
  • ところで北村どうなった?あの後見せて欲しかったよ。店や工場は一体どうなっているのだろうか。
  • 2回目見たら、糸子の空回り具合というか、何かズレてるって分かっているのに、どこがどうって分からずに必死であがく姿が切なかった。必死なのが哀れすぎる。でも、最後の最後「店を売りつけた」ってのが糸子らしい決着の仕方だった気がする。
  • 今週の『カーネーション』できつかったのは、糸子と周防さんの愛と別れよりも、つるし上げ会議の残酷さよりも、これほどまでに美しく切なく儚く描かれていた二人の悲恋に自分が感情移入できなかったことかな。大げさな言い方をすると自分はどっか情緒が欠落してるのかなーとか、ドラマに出てくるような下世話な近所のおばちゃんらと同類なのかなーとか、結構そのことがジワジワダメージを与えてたス。単に、周防さんが好みじゃなかったからかもしれないけど…!*1

*1:ある日を境に突然株が大暴落したってのはある