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37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜

今回も紺野先生の無謀ぶりは相変わらずだったけど、前回ほどイライラしなかった。それは、紺野先生の言動よりも患者である木島さん側に感情移入してしまって、紺野先生どころではなかったからだと思います。
もうこれ以上の治療ができなくなった末期がん患者をホスピスに「追い出す」と言えば聞こえが悪いが、おそらく終末医療としては大学病院にいるよりはるかに安心できるだろし、痛みをコントロールできれば心安らかに過ごせる可能性もある。逆に大学病院側にしてみれば空いた病床には新たに治療を必要としている患者を入院させる事ができるのかもしれないし、決して悪い事ではないと思う。紺野先生はその事だけを言っているのではなく、治療するために手を尽くす事を諦めるのが許せなかったんだろうけど、ドラマ内だと金にならない患者は追い出して、ベッドの回転率を上げよう!という佐伯教授を代表とする黒さばかりが強調されててちょっと気になりました。「治らない」とはっきり伝えてしまう新見先生も嫌な風に描かれているけど、言い方はともかく「医師が」安易に「気休め」を言うのはやっぱりまずよね。
木島さんが、医者に「大丈夫」などの言葉で背中を押してもらいたがる気持ちは痛いほど分かった。リスクは覚悟しているし、同意書にもサインする、万が一何かあった時に病院や医者を責めるような事は決してしない。でも、自分ではどうしても決められない、決めるのが怖いから、一片の安心感と勇気を分けて欲しいと思ってしまうんだろうなぁ。このままなら余命半年、治療すれば7割が成功、3割は数日〜数週間で死亡。これを決断しろって厳しすぎるよね。それを、最後は紺野先生の言葉なしに、それまでの紺野先生の人となりを信じて決断した木島さんすげえよ。強いなー。3割は死亡という統計が出ている治験状態の未承認の薬を使ってでも…と考える木島さんの気持ちも分かるよ。そんな様子を見てたら、助かる奇跡があってもいいんじゃなか…と祈ってしまった。まぁ無理だったんですが。
初回で奇跡→2話で独善Max→3話で木島さんの悲劇、と来たので、次回から紺野先生に変化が現れるのかな。「病院を変えたいんじゃなくて、自分が変わりたい」っていうのは、これから紺野先生が変わっていくという事なのか、それともサラリーマン時代は曲げざるを得なかった自分の信念(独善)をこんどこそ貫きたいという事なのか。後者だと見てるのきついけど、どうなるのかな。木島さんのエピソードを終えた次回が勝負か?