ライトノベル 3 なるしまゆり

ライトノベル(3) (KCx(ARIA))

拉致され、全裸で山の中に置き去りにされた主人公の左々暗が犯人の陰湿なアプローチを正面から受けて立つ様子が描かれていました。
左々暗が覚悟を決めて行動するようになって、「虚構と現実」「創作物が世間に与える影響」などの答えの簡単に見えない問題から、目の前の危機をクリアするという方向に流れが変わってきたので、とてもシンプルで読みやすい展開になっていました。
それでも、左々暗が現実の殺人事件を目の当たりにして、たとえ全てが終わったとしても今までのように小説を書くことができるのか、書き続けるのかという最後に彼が選ぶであろう決断をきちんと考えさせているので、ただの猟奇殺人事件では終わらないとは思う。
事件は大詰めっぽいけれど、巻末の4巻予告を見るとまだまだ山がありそうです。