のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

池袋ウエストゲートパーク みかんの回

「姫」誘拐事件でサル、和範初登場。このエピソードが一番好きかなぁ。サルと和範に肩入れしています。
サルのいじめられていた過去と、ヤクザになって5年たってもポケットには100万円入っていない現在。報われない姫への想いと背中の入れ墨。ヤクザであるというのは別にして、こんな風に上手に生きられない人は世の中にたくさんいるに違いない。マコトやキングは虚構の中の人という感じがするのに対し、サルは何となくリアルな感じがするのですよ。姫の遺体を抱きしめて号泣する場面ではもらい泣きしそうになってしまった。事件が終わり、結局指をつめることになったにもかかわらず、色の入った刺青を自慢そうに見せるサルの笑顔もよかった。いじめ場面での泣きそうな表情は、さすが妻夫木聡!という感じだったなー。
引きこもりの和範とマコトが距離を少しずつ縮めていく描写も気に入っている。和範が自分から「サルがヤバイ」と連絡を入れたり、ラストでマコトの家の近くまで来て「今日はここまで」と言って笑って帰っていく所とかすごく好きだ。
マコトとサル、マコトと和範、和範の気持ちがわかるというサル。この3人のそれぞれの繋がりがいいのですよー。結構暗いストーリーなのだが、見終わった後何となく爽やかな気分にもなれるお話でもあった。
石田衣良の原作はドラマを見た後読んだのだが、ドラマによってサル=妻夫木聡というイメージが出来上がっているにも関わらず、小説のサルはキングコングの梶原をイメージしてしまう。妻夫木氏が男前すぎるからだろうか…。