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あしたの、喜多善男 #11

あーもう泣きっぱなしの最終回でした。喜多さんの「美しい死なんてない。自分を壊しに行くんだ」のモノローグから、しのぶちゃんの朗読への流れでは鼻水もダーダーで大変な事に。しのぶちゃんの甘ったるい声のたどたどしい朗読で泣いちゃうなんて!いや、しのぶちゃんならではのあのよれよれ朗読だから良かったんだろうなー。
杉本さん「それっぽくない人が怪しい」だとか言い出すから、あのカウンセラーが実は黒幕か!?とか一瞬疑ってしまったではないですか。全く関係なく、本当にいちカウンセラーでしたが。あと、ドラマ最初の提供バックで、喜多さんが煙突の上に立っている映像を見て、もうだめだ…と本気で心配してしまった。最終回までハラハラさせてくれるね。
釈放されたみずほと喜多さんの再会は、ものすごく緊張した。無音の中で見つめあう2人、何か言葉に出しそうで出さなくて、それでいてしっかりと互いを正面から見つめ合っていて、歩み寄るわけではなく…というのが、2人のこれまでの歪んだ関係、そしてそれを全て受け入れた上での新たな関係*1を見せてくれたようだった。これまでどこか猫背気味で俯きがちに歩いていた喜多さんが、背筋を伸ばしてしっかりと歩いていく姿を見て、喜多さんは新しい明日を生きていくんだなぁというのが感じられて、本当にすがすがしい気分になった。いい旅立ちですね!
自ら死を選ぼうとする喜多さんの言葉や考え方、ネガティブ善男の存在を見ては、ああこういう気持ちになってしまうのか…とかいろいろ想像してそれで毎回泣いてしまっていたんだけど、最後の最後で平太さんが「俺が親父の事を嫌いなのは死んだからだ。生きていて欲しかった」と話しているのを聞いていたら、残された者の気持ちもガッツリ伝わってきたそれでまた泣けた…。
本当にいいドラマでした。小日向さんの熱演は言わずもがな、他の役者さんも誰一人として無駄な人なんていなくて、しっかりその役を演じきっていて素晴らしかったと思います。松田龍平を初めて「カッコイイなー!」と心から思ったよ。最後までしっかりじっくり、そして丁寧に作ってあって、見ている自分も真剣に向き合えたドラマだった。本当に奇跡の11日間だった。面白かったです!!!

*1:それぞれ進む道はまったく別で、もう交わる事はないだろうけど