- 作者: 鬼頭莫宏
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 単行本
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以下、ネタバレもあります。
7つの短編は同じ都市の中の出来事で、いずれも2人の管理官が狂言回し的な役割を担っている。
- 誕生日の棺 「お父さま」の気持ちは全く理解できないが、女の気持ちは理解できる。
- 3年間の神 餓死寸前でたガリガリにやせ細った少女を犯すってのがキツイ…。でも、一番難しい話だと思った。
- 生死者の聲 これが最もシンプルでストレートな「愛」だったんじゃないかな。ゾンビ化した夫とその妻がお互いに「愛している」と声には出せなかったところが切ない。
- 創造主の檻 これが一番オチがくっきりはっきりついている。でも、そのせいで他の作品の曖昧でふわっとした後味とは違った感じになっているように思えた。
- 渉猟子の愛 この話が一番好き。「渉猟」って何?と思わず意味を調べてしまった。最終話ということでこれまでのエピソードも踏まえつつ、渉猟子と外殻都市がリンクして愛の唄を歌う。管理官が話したであろう「愛の話(1話〜6話)」を渉猟子の末裔(?)が語り続けたというラストも余韻があっていいなー。