ロシュフォールの顔の造形は本当に計算されているなぁ。あの彫りの深さとライティングで、見事な悪顔や迫力顔を見せてくれる。
アトスとミレディーの邂逅、互いに知らんふりをしてすれ違った時は、どんなドロドロした因縁があるんだと思ったが、二人の間に流れる雰囲気があまりにも柔らかいものだったのでちょっと驚いた。堅物のアトス、人を出し抜く事に長けたミレディが、あんな会話や表情（って人形だけどそう見えるのだ）をするとは。
そして、今回のカッコいい男はポルトスでしたー！ポルトスの恋愛指南をダルタニアンと一緒に熱心に聴いているボーイの細かい動きも面白かった。セリフは一切ないが、深い頷きやら、トレーで「頭を冷やせよ！」とばかりにダルタニアンを扇いだり。というか、あの酒場自体が人形、セット共に素晴らしかった…。テーブルの上の細かい小物。ダルタニアンらの後ろで談笑するほかの客。カメラのピントは全くあっていないような場面でもずーーーっと人形が動き続けているんだよね。もちろんテーブルで眠っている人妻も、ちゃんと寝息を立ててるし。
なかなか本当の事を言おうとしないダルタニアンの隠し事を、アトス、アラミス、ポルトスと三人三様の状況や方法で知り、その3人が情報を合わせた結果、「これ全てが繋がった！」となった時は、最初から知っていた視聴者である私も妙にスッキリした。綺麗に繋がったよなー、まさにウィンナーの如し。
アンヌ王妃があっという間にミレディーに篭絡されてしまったようだが、あれは心を許したのか？それとも信頼したフリをして話す事で、枢機卿の監視を緩めようという計算か？（実際にアトスたちは釈放されたし）「そう言えばずっと猿臭かったわ」の冷たい言い方がちょっと怖かったコンスタンスもそうだし、女性（人妻or元人妻）の方がどう考えても男性より何枚も上手そうです。
「女に好かれる一番の秘訣は、嫌われない事だ」
「どんな恋も一目惚れから始まるんだ」
「一つだけ関わりたくない女がいる、追われている人妻だ」
ダルタニアンの恋に酔っている様子が微笑ましくて痛々しい。若い、若いねぇ！！！「僕がいないとダメなんですよね」とか見ててこっちが恥ずかしくて頭を抱えたくなるヨ。すかさず「そいつは男の幻想だ」とツッコミを入れられてたけど、お花畑状態のダルタニアンにはきっと届いていないに違いない。
アトスには甘えるケティがボナシューが触ろうとすると全身で拒否していたのは笑った。あと、ガイドブックで見た時はそれほどでもなかったバッキンガム公、動きと声が加わると途端にイケメンに見えてきた…ジェントルマン！！
