ブラステッド 1 室井大資

ブラステッド 1 (BEAM COMIX)

血と死と暴力が溢れるバイオレンスワールド。面白かった！
醜い顔の疵痕のおかげで化け物に見られていしまう「顔」さん、最初は本当に不気味なキャラにしか見えないんだけど、その人となりが語られるにつれて「バケモノ」から人へと印象か変わる。初めて2人が会話した時の「今は笑っています」は、そう言われても笑っているようには見えなかったのだが、穂村とかずはさんと顔さんで食事をした時の表情は笑っているんだろうなと何となく分かるようになった。
主人公の穂村は、暴力団の末端にありながら暴力からは目を逸らしている男だが、そんな傍観者であった穂村が逃れる事のできない渦に巻き込まれ、ついには当事者となって闇に踏み込んでいく。1巻のラスト、その瞬間は思わずため息をついてしまった。室井さんの作品って荒々しいんだけど読後が切ない気持ちになるんですよね。
ビームコミックスって初めて買ったんだけど、カバーデザインもカッコいいんですね。帯もカバーをめくった本体のデザインも凝っていて「マンガ本」っぽくないのです。