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火をつけられる、刺される、切られる等の描写を見ていると、こっちまでキリキリと痛みを感じてしまう。肉体的な痛みと共に、精神的にも痛みを感じます。1巻の中盤で春花の家族が巻き込まれてしまうのだが、幼い妹の姿にドーーーンと凹まされた。胸の奥に重い石でも置かれた感じ。読み進めて平気かな…と若干心配になるほどだった。そこから始まる春花の復讐劇も爽快感など一切なく、後味の悪いどんよりとした気分になるよ。でも読むのを止められない。春花がクラスメイトたちがどこへ向かいどうなるのかが気になってしまうからだ。
一部、本当に病的な子もいるが、メインキャラには皆「そうなってしまった原因」や「状況」がきちんとあって、普通の子供のメンタリティ(愛されたい、必要とされたい、自分を見て欲しい)が根底にあるものだから、復讐される側の断末魔も心に刺さってくる。とにかくあの閉塞感に胸が詰まりました。
以下、ネタバレあります。
個人的なクライマックスは、大黒と春花が対面し、全てを告白して謝った事によってそれまで止まらなかった大黒の手の震えが消える場面。もう後戻りできない状況の中でも、そこだけ一筋の光に包まれたような少しだけ救われたような気がしたのに、その直後、佐山に襲われた大黒の表情は、再び憎しみでどす黒く染まっていたのがショックだった。あの表情の変化は結構なダメージだったよ!やっぱり救いはないんだ!!と突き落とされた気分になった。でも、大黒と佐山の対決は、本音と本音のぶつかり合いで見ごたえあったんです、とても。大黒にだって、佐山にだって、引き返せるポイントはあったはずなのに、破滅に突き進んでしまうのが悲しい。特に佐山は、彼女を心から心配し大事にしてくれている家族がいたのに、もはや止まれなかった。それぞれに遺された家族の愛だけが切ない。ホラーと言うより、人間ドラマとして恐ろしい作品でした。