のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

小公女セイラ #10

お金持ちに戻り、尚且つ打たれ強さを獲得したセイラは最強のプリンセスになりました!大団円で終了し、明るい気持ちで見終えることができて良かったです。
セイラママの呪縛が本当に恐ろしくて、あの世とこの世の堺(?)で再会したセイラママとセイラの会話も、セイラのプリンセス思考をもっともっと凝縮したようなあなた(セイラママ)に言われても説得力ないわーと思ったりもしたけど、それすら乗り越えて院長と共に「一緒に黒田薫子を卒業しましょう」となったんだからきれいなまとめ方だったと思います。いや、本当に院長がセイラママの呪いから逃れられて良かった良かった。このドラマは黒田セイラの物語であると同時に、三村千恵子の物語でもあったと思う。回想シーンを見ると、殴ったり怒鳴ったり暴れたり、ホントに虐待の限りを尽くしていたけれど、やっぱり院長を嫌いになれなかったです。同様にひろこの事も。セイラが再びプリンセスに戻った事で茫然自失の院長に対し、初めて正面切って反撃するえみこ先生とのやり取りも良かった。えみこ先生に対してはどんな時も姉・上司のような物言いだったのに、まるで「親に怒られる小さな子供」のような表情になっていた院長が印象的だった。さりげなくプロポーズをして退場してしまったアラン先生と、本当に結婚すればよかったのに…!とアラン先生ファンであり、院長好きの私は思ったり。いやーしかし、アラン先生は実にジェントルだった!報われて欲しかったわー。
ひろことかおりとの関係も、抱き合って涙の和解…などではなく、実に彼女たちらしいやり取りが続いたのが面白かった。まさみちゃんとセイラだけでなく、ひろこも一緒にロンドンの大学へ行って以降もキーキーケンカすればいいのに。ひろこは面白い子だった。つまりとても感情移入しやすい子であった。ひろこ大好きだ!
このドラマが面白かったのは、いじめられるセイラ=可哀想な善人、いじめる院長、ひろこ=憎むべき悪人という図式じゃなかった事。セイラが可哀想可哀想ばかりで物語が進むのではなく、あまりにも正し過ぎるセイラ(薫子)の独善、それに対する止められない憎しみや嫉妬、強すぎる光が生み出す黒い影がとても分かりやすく描かれていたのが面白かった。主人公セイラよりむしろ、ひろこや院長の気持ちの方が身近に感じられて、ついつい続きが気になってしまったのでありました。