- 作者: 湊かなえ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/04/08
- メディア: 文庫
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主観で語られているにも関わらず、誰にも感情移入できなかったたためか、憎しみを感じたり、イライラしたり、同情したりというような物語の感情に翻弄されるような事はなかったかな。後味が悪い話と聞いたこともあったけど、後味の悪さも特に感じなかった。「後味の悪さ」を私が感じる時というのは、うっすらと見えてきた希望が悪意によって奪われた時なんだけど、この物語には希望が一切無いので、絶望もあまり感じなかったのかもしれない。ラストは…うーんどうだろうなぁ。個人的には、実力行使ではなくて、もっともっと言葉のみで追いつめて大の大人が容赦なく相手を精神的に殺すくらいの残酷さが見たかったかも。
以下、ちょっとだけですがネタバレあります。
5章での美月ちゃんの件はいらなかったと思う。彼を「馬鹿」であると見せ付けるのは最終章の人の語りでも良かった気がするな。
映画ではウェルテルは岡田将生さんのようだけど、読んでて脳内でイメージしたのは上地雄輔さんだった。