- 作者: 古谷実
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/12/23
- メディア: コミック
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オギぼー(荻野)と南雲さんの会話が可愛くて可愛くて、見てて和みました…。南雲さんのいる世界の穏やかさや素晴らしさ、だから反面彼女のいない世界(高校での日々)の悲惨さが際立っていた。南雲さんがオギぼーに惹かれた具体的な理由がなかったので、この夢の日々は地獄の生活から逃れるためにオギぼーが作り出した妄想…?最後は夢オチ…?なんて思ったりもしたが、そんなことはなくラストにはもっと当たり前の「現実」が待ち構えていました。
次々と襲いかかる非日常(バイオレンス)に巻き込まれつつも紙一重でかわし、日常(南雲さん)に戻れるオギぼーのバランス感覚が面白かった。一番盛り上がったのは3巻の拉致事件で、高校の同級生、谷脇、高井、オギぼーの関係に一応の決着が付くのだが、あんな非日常の暴力事件も、南雲さんとのセックスも、オギぼーにすればどちらも同じくらいの大事件なんですよね。それが高校生か。
越君とのエピソードも好きだった。南雲さんがいなくとも穏やかで普通の(変なトラブルに巻き込まれてはいたが)日常がオギぼーにも用意されているんだという安心感。
ラストは非常に切なかった。最終話の「やるじゃないか荻野優介、思いのほか立派になったじゃないか」と心の中でつぶやきながら、かつての自分を見下ろしている場面がグッときた…。グッときたというか、もうそこらへんは読んでて寂しくて寂しくて仕方がなかったんですが。でも、最後の最後で変わらないオギぼーも見られてホッとしたりもした。