- 作者: 石黒正数
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2010/03/13
- メディア: コミック
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以下、ネタバレもあります。
この父さんは、『ネムルバカ』に登場した鯨井ルカ先輩のお父さんなんだよね。表紙の折り返し部分にも先輩がちゃんといるし、1話の扉絵にも鏡にも小さな女の子が映っているし(今はいない事を伝えている)、直接物語には関わってこないながらもジワジワと失踪した妹=鯨井ルカであることが見えてきて、あれ?もしかして…?と思いながら読んでいる時の高揚感といったら!そんな妹(ルカ)が登場するのが3話の回想と6話の電話。3話の回想が『ネムルバカ』で大学辞めてデビューする直前だと思う。そして6話は失踪後。番外編は大学入学直後がメイン。『ネムルバカ』ではちょっと抜けてる後輩と一緒だったせいもあって、しっかりしてて頼りがいがあるように見えたルカだけど、父さんの前だと生意気で子供っぽい。『ネムルバカ』では納得できたルカの行動も、愛情を持ってさらに俯瞰した位置にいる父親から見るとまだまだ青く思えてしまう。思い通りにいかなくても楽しかった父さんの話と、思い通りにやっても納得できていないルカの対比が上手いなー。「それ家族に心配かけてまでやらなきゃいけないことか?」「俺が幸せでないワケないだろ!!」という言葉にグッと来た。上着に隠された物語にも。逆サイドからは違って見える、いろんな角度から楽しめる物語は楽しい。