のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

救命病棟24時 #10

今回は失速した感じだったなぁ。ここ数回盛り上がっていたものだから、このペース楽しめると思ったんだけどね。
城丸親子(綿引勝彦伊崎充則)はよかったです。二人の演技は胸にくるものがあったし、特に綿引勝彦はさすがだなーと。でも、この熱い思いを冷ましてしまう要素がいくつかあって乗り切れなかった。城丸の息子のがんばりや寺泉(仲村トオル)が再び立ち上がる姿に『走れメロス』をダブらせるのがまずピンと来ない。『走れメロス』とはちょっと違う気がしたんだよね。あと、城丸が息をひきとった後の楓(松嶋菜々子)の表情からは何を考えているのか読み取れなくてちょっと混乱した。
河野兄(川岡大次郎)の問題もよく分からなかった。城丸親子、死を看取る子供達、寺泉再出発、無気力になった河野兄と、いろんな問題がありつつも一つに収束してそれぞれの答えが出るというのがこのドラマの醍醐味だと思っているのだけど、今回は河野兄の問題だけ全く別物であった。今回まで引っ張った意味をあまり感じなかったし、先週の寺泉の演説で復活させてもよかったのでは?父親が助教授のイスを蹴って町医者になったと聞いたとたんに、悟ったような表情になるのは解せない。結局、「助教授候補=親父ってスゲー!」ということ?誠実な仕事振りではなく、実は偉い人だったということが尊敬の対象になっているのだろうか。「俺は研修医。ダメダメであたりまえ」って、医者の無力さを痛感して悩んでいたんじゃないのか?未熟な自分と周りの医師たちを比べて落ち込んでいたということ?何かしっくり来なかったエピソードたったなー。
あと、最大のガックリはラストの集団食中毒。不謹慎なのかもしれないけれど、「ウソでしょー!?」と笑ってしまった。「救命チーム最大のピンチ」をどうしても作り出したくて仕方がなかったのかな。強引過ぎという印象がまず来てしまう。
今回は否定的な感想ばかりでよくないですね、スイマセン。
えーと!日比谷(小市慢太郎)は、今回ナースステーションにおけるストーリー説明担当になっていました。そして好き嫌いがさらに明らかに。いくらとたらこマヨネーズのおにぎりはダメ、焼肉と梅干のおにぎりはオッケー。偏食を佐倉(大泉洋)に指摘されても、クールに無視する日比谷先生ナイスです。寺泉がコント要員を休みがちなので、ここで楽しませてもらいましたよ。
あー、来週最終回か。「あれっ、そうなの?」と思うくらい唐突というか、盛り上がりに欠けるというか…。


ここから先は超個人的な感想であります。
ドラマだから現実にいちいち照らし合わせなくてもいいのでは…とは分かっているのだけれど、城丸父のガン描写はどうなんだろう。幾つもの器官にガンが転移しており余命1ヶ月もない人間が、死の数日前まで日常生活をいつも通りに送れるものなのか。あと、息子より先に(そう見えたけど)本人にガン告知するものなの?
昏睡状態になってから、一度意識が回復し息子と言葉を交わした直後に静かに息をひきとる…、そんな美しい最期はそうそうあるのかも不思議なところ。もしかしたら、これらのことは人間の生命力が見せた最後の奇跡なのかもしれないけれど。