のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

神はサイコロを振らない #4

10年という時間の重さを改めて見せつけられました。「止まってしまった時計の針を動かすのは、神様ではない」というモノローグから、哲也(山本太郎)のプロポーズを受けるのかと思ったのに…。「止まった時計」って哲也の方だったのかー。加藤教授(大杉漣)にどこがいいのかと聞かれて「ぜんぶ」と答えていたからこそ、余計に泣けた…。その「ぜんぶ」は今はもうないと言うヤス子(小林聡美)と、それを謝ることではないという哲也。どこまで哲也は良い奴なんだ。彼がどんな気持ちでバラを買ってきたのかとか、受け取ってもらえなかったバラを掃除のおばさんに渡して去っていく時の気持ちとかいろいろ想像したらもう我慢できなかったよ。哲也は、10年前にヤス子が語った「気持ちに嘘をつかない女になる」を、彼女が実現したと思って「謝るな」と言ったんだよね?でも、ヤス子にとってはやはり正直に生きているとは言い難いんだろうなぁ。だからこそ、去っていく哲也の後姿を見つめていたんだと思うし。焼き芋を食べる哲也の笑顔がまた良い顔なんだよ。
ヤス子がプロポーズを断るのと、亮くん(小清水一揮)とママ(杏子)の再会エピソードが連続していたから、余計に10年の重さが身に沁みたよ。ママは今や夫と離婚して10年の時間が流れているのに、再会した亮くんが開口一番に言ったのが「僕頑張ったよ。僕一人で飛行機に乗れたよ」。乗客にとっては、本当にあたりまえの「昨日の続き」なんだよね。
菊介(武田真治)が例のサイトを更新していた理由って、ヤス子の心のうちを知りたかったから?初めはそうだったかもしれないけど、それだけにしては何となく悪意を感じるし、初日に手紙まで送るなんて手が込みすぎているような気がする。この件はこれにて終了なのかなぁ。夢を失って漠然と生きているのを時代のせいにするしかなかった苛立ちとか、そういったものも含まれているのだろうか。
ヤス子と菊介の壮絶な兄弟げんかは見ていて本当に痛そうだったし、その言葉も耳が痛かった。明らかに菊介のビンタの方がしっかりと頬にヒットしていて、打たれる方はかなり痛かっただろうな〜。飄々とマイペースで生きているように見える菊介が、ヤス子の言葉にムキになって反論する姿は、思いっきり殴られているヤス子より痛々しかった。でも、「時代?」とあのしり上がりの発音で、「仕方がなかったんだよ」っぽく言われたら、ぶっ飛ばしたくなる気持ちは分かるな〜。
新聞に加藤教授の説を載せたのは、甲斐(尾美としのり)が言い出したことだったのか。他人事であり風化されてしまうというのも分かるけど、そのやり方はどうなのかなぁ?本部長(岸部一徳)が甲斐に言いかけた「甲斐さん、あなたは…」って、その後なんて言いたかったのかが気になる。