ヒメアノ〜ル 1〜6 古谷実
- 作者: 古谷実
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/11/06
- メディア: コミック
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最初は安藤さんが鬱陶しくてたまらなかったんだけど、ある瞬間に突然可愛いおじさんになって自分でも驚いた。なんでかと考えたら、より一般的で普通ポジションの岡田といる時は、どうしても安藤さんの奇行やわがまま、小心者ぶりが強調されてイライラしたんだけど、そんな安藤さんの上をいくつわものと出会った時の彼のリアクションが、それまでと違って案外普通に見えてのが良かったんだと思う。黒い安藤になるために騙そうと近づいた山田さんや、完全に頭のおかしいPK対決男、安藤さんに恋するドS彼女。彼らに対峙したとき、それまでのボケキャラから、可愛いツッコミキャラになっていたのが妙にツボだった。
終盤は森田が主人公だった。いきあたりばったりで、でも捕まらない運のよさと、決してユカちゃんには届かない運の悪さ。自分の異常を受け入れ生も死も執着していないように見えて、標的に対する猛烈な執着心。それが自分が生きている意味だと理解し、正常と異常の境界線が完全に曖昧になっていて怖いんだけど、目が離せなかった。そんな森田が、自分の異常に気がつき絶望した瞬間の見開きのページは強烈でした。
森田がメインになり、岡田安藤の蜜月時代が終わってしまったのは寂しかった。あと安藤と彼女のその後ももう少し見たかったな。