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長嶋有漫画化計画

長嶋有漫画化計画

長嶋有漫画化計画

長嶋有の小説15作品を漫画化。よしもとよしともの新作が読みたくて購入したのですが、読んでみると他にも面白い作品がたくさんあって嬉しい限りです。原作の小説を読んでいないので、原作の雰囲気や内容をどう再現したのかアレンジしたのかなどは一切分からず、漫画家の作品として素直に楽しみました。
やはり一番良かったのはよしもと先生の「噛みながら」。現在と過去とそしてもうひとつの時間がごっちゃになって流れているんだけど、それが実に綺麗に繋がっていて最後の爆発に向かう見事な助走となってて痺れました。1度目に読んだ時は爆発の瞬間にカタルシスを感じるんだけど、2度目に読むとその爆発に向かうための助走の美しさに惹きつけられた。ラストの「カングラッチュレイシャーン」な人達の顔も、見上げた空も、余韻があって大好きです。
カラスヤサトシ「夕子ちゃんの近道」、小玉ユキ「泣かない女はいない」、ウラモトユウコ「サイドカーに犬」、河井克夫「タンノイのエジンバラ」、吉田戦車ジャージの二人」もものすごく好みだった。カラスヤ先生の何ともいえない雰囲気と温かくもちょっと切ないラストにやられました。あと、小玉先生のすごさは作品を読んでる自分も睦美さんの気持ちにに入り込んで、喜んだり後悔したり切なくなったり恋したりできる所。樋川さんに惚れそうになった…というか惚れた!
掲載順で、「次の作品のキャラクターがカメオ出演している」っていうのはよしもと先生の「青い車」しか分かりませんでした…。