ヒミズ 全4巻 古谷実

ヒミズ 1 (ヤンマガKC)

「普通」を求めて「特別」を許せなかった住田が自分の事を「特別」と言うようになってしまったのが辛い。それは彼にとって、生きる事を諦めてしまうのと同じだったから。直接手を下していないとはえ、住田よりももっとあっさりと悪循環のレールに乗ってしまったように見える正造が何とか抜け出せたのに、住田は無理だったというのも残酷な結末だった。自分で自分を追いつめて追いつめて、何度かチャンスがあったのに、結局最後はバケモノを振り切れなかった。バスで「バカ」を発見→惨殺→いろいろあって家に戻ると、希望と平穏の象徴きいちくんがいて、って所でものすごくホッとして、ああこれで大丈夫なんじゃないか…と思ったところだからこそ、ラストシーンの絶望に衝撃を受けた。
4巻で出てきたヤクザの「お前は病気だ」の言葉が一番分かりやすく、端的に状況を表していたと思う。