のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

マリオ AIのゆくえ

面白かった!!こういう作品大好き!脳死状態の人間に人工知能を埋め込むことでAI人間を誕生させるという設定のおかげで、人間が演じても(当たり前だが)あまり違和感なく見る事ができた。これが、肉体も人工的に作られたアンドロイド設定だと、挙動や微妙なCGなどで細かい粗が見えてしまったかもしれないし。あと、博士の研究室が、大量のコンピューターに囲まれ、壁一面に複数のモニター、謎のコードがあちこちからぶら下がり床を這い…的なありがち~で作り物感丸出しなセットじゃなかったのも良かった。これは私の好みの問題だけど!
至くんと時間を共にすることによって、プログラムされた情報だけでは見えなかった世界、人間の矛盾や不合理さを学習していくのだけど、客観的な情報として取り入れただけでなく自分自身の体験として理解した時のマリオの笑顔は印象的だった。クライマックスはまだだというのに、すでにあの場面で泣きそうになりました…。
マリオ捜索担当の北村さんの「俺はAIに人権を認めない」に、きたー!反AIの過激派きたー!!と興奮しました。こういうドラマには必要不可欠なキャラですが、それが北村有起哉!はまる…はまりすぎる…。AIではあるが、肉体は人間のものであるにも関わらず、あれだけ執拗に陰湿にナイフを振り下ろし続けるってことは、あの捜査官にとって肉体は単なる入れ物でしかないってことなのか。
体をコントロールすることに慣れなくて、序盤はヨロヨロしていたマリオだが、護身術のために様々な情報を収集した後の動きがキレキレな事よ。西島さんの動きが決まりすぎて、アクションシーンもとっても素晴らしかった。一本調子な感のある演技が感情のないAIのセリフに生かされ、アクションシーンはド迫力、基本無表情だけどたまに見せる可愛い笑顔…と西島さんの魅力がこれでもかと発揮された役だったと思いました!(偉そう)
時枝博士=田中哲史も素敵だった~。自分の子供みたいなものだと言いながら、データさえ手に入れば処分されてもかまわないとマリオを差し出し、かと思えばマリオの活動停止の瞬間までモニターして命の消えた事にやるせなさを感じて煙草に火をつける捻くれた博士=田中哲史かっこいい…。最後の最後までデータを回収していたわけだから、AIとしてのマリオが辛うじて生きている事は分かっていただろうけど、それでも肉体を持ったマリオの死に思う所があったってのが伝わってきた。
いつか至くんがアンドロイドを完成させ、マリオと至くんが再び並んで街を散歩できる日がくるといいね。