のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

明智小五郎VS金田一耕助

冒頭から「原作とは関係ありません」というような但し書きがあって、それなら明智金田一の名前を使うなよ!と一気にダレたのだが、ツッコミドラマとしては十分に笑わせてもらった。不用意に明智金田一の名を使うと原作ファンにものすごく嫌がられると思うのにあえて使ったのは、やはりこの2大ブランドを持ってこないとTOKIOの2人を「土曜ワイド劇場」に引っ張ってこれないからだったのかなぁなどと邪推してみたり。主役2人を明智小五郎金田一耕助にしなくても、潔癖症で真面目な助教授とすぼらで行動力のある探偵のコンビにしてもよかったんじゃないのだろうか…。
ゲストは惜しみなく投入していた。温水洋一は主役2人を出会わせるためだけの単なる通行人扱いだし、余貴美子は、やり手のクラブのママとして何かやってくれそうな気配を漂わせながらも登場して5分で毒殺。贅沢だなぁ。平田満が昔気質の刑事役で登場。美味しい役でした。松岡、長瀬、平田が屋台で顔をあわせる3ショットは最高だったが、その後すぐにお約束で刺殺されてしまいました。あーあ。
明智松岡昌宏)がわりと無能に描かれていたかも。プロファイリングで警察にも協力していると言う設定だったけど、ドラマ中では一回もプロファイリングしていないし!真犯人、島村(財前直見)に間違った推理を導かれたようだが、彼以外視聴者は誰も騙されていなかったんじゃないかと思う。
まぁ、何といっても見所はラストの解決編だった!明智金田一が2人でのんびり推理している間に、島村はとっくにヘリで現場へ向かったはずなのに、後を追った2人の車は大して遅れることもなくあっという間に現場に到着。妨害者によって崖から岩が落ちてくるが、その岩が発泡スチロール丸分かり。その後、突然雪山に現れたブルドーザーによって追いかけられ、大アクションで崖から転落しているのに!のに!CM明けには何故かトロッコに乗り、島村と対決するために颯爽と登場。雪ひとつ被ってないよ。あのブルドーザーのシーン完全に要らないっての!
が、今までのは序の口で、最高だったのは島村を演じる財前直見です。いろいろと御託を並べた後、「あーはっはっは!!」と高笑いをしながらトロッコを漕いで逃げる姿は爆笑ものだった。今、思い出しても笑える。全然追い詰められてもいないのに、指輪を使って自爆。その時の手袋のとり方が、口で手袋を引っ張る「ひ〜ろ〜し〜」の片平なぎさ型(by『スチュワーデス物語』)。後に残されたのは、島村のものと思われる片手だけだった…のだが、ラストシーンで白いコート、白い手袋、白いバッグにサングラスという目立つコーディネイトで明智金田一の後ろをニヤリと笑いながら通り過ぎてゆく…という、財前さんの体を張った熱演に拍手であります。
ツッコミどころ満載で、ある意味素晴らしく面白いドラマでした。