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PERFECT BLUE

PERFECT BLUE [DVD]

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怖かったよ…ゾクゾクしながら見た。アニメーションならではのサスペンスで約80分があっという間だった。
元アイドル美麻の望まない仕事に対する葛藤、熱烈なファンによるストーカー行為、仕事関係者の惨殺事件、目の前に現れる「アイドル美麻」、そしてついに現実と幻想が交じり合ってしまい…。現実と幻想の区別がなくなって一つに絡まりあうのは、今敏の次の作品『千年女優』でも同じなのだが、『千年女優』の時は「現実」「幻想」の境目が見ていて分かる。だからその混ざりあう演出を安心して楽しめるのだ。しかし、『PERFECT BLUE』での混ざり方は、美麻がどこまでが現実か迷うのと同じように見ている方も惑わされる。その不安定な感じが面白くて怖かった。特に後半は現実と幻想の交錯が何度もリピートされるので、壊れていく美麻とともに居心地の悪さが加速した感じとなる。ラストはものすごい緊張感だった。


この先ネタバレあります。







  • 冒頭のアイドルグループ「チャム」のイベントシーンは振りつけとかも完璧に描かれていて驚いた。実写を意識したんだろうなぁ。
  • ストーカーの顔が怖い…。キャラクター原案は江口寿史だが、どちらかというと望月峰太郎という感じ。いかにも怪しすぎるので、「こいつ真犯人じゃないよね…」とつい予想してしまった。
  • 美麻への嫌がらせと惨殺事件の犯人は誰か?というのを考えながら見ていて、いろいろなパターンを思い描くのだけど、「違った」「あれ?やっぱりそう?」と何度も騙されるのが面白かったなー。殺人すら「本当の出来事なのか?」と思わされたこともあったし。「これもしかして美麻の妄想なの!?」と思った瞬間が一番燃えた。
  • 美麻が復活?と噂になった「チャム」のイベントで、ふわりと「アイドル美麻」が現れたのはストーカーだけに見えた幻想?それとも実際に「あの」美麻が人前で踊っていたのかなぁ?「チャム」のメンバーが不思議そうな顔で描かれているように見えたんだけど。でも、そうだったら大騒ぎになるよね。
  • 「インターネット?何それー?」というのにものすごく時代を感じましたよ。
  • あのエンディングテーマはどうかと思う。面白かったのに余韻が冷めてしまった。
  • 今敏が監督の3作品を見たが、面白さは 東京ゴッドファーザーズPERFECT BLUE千年女優 かな。