のんべんだらりといきましょう

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火垂るの墓

清太(石田法嗣)と節子(佐々木麻緒)がアニメの清太さんとせっちゃんそっくりでまず驚いた!声もそうだし、セリフのイントネーションや表現(間とでもいうのかな?)がほとんど同じだったのではないだろうか。やはりアニメーションを参考にしているのかな。それだけでなく、二人の場面はほとんどアニメのそれと同じアングルや演出だったような気がする。ここまで一緒だとドラマ化する意味があるのかなぁ?とも正直思ってしまった。
鬼にならずにはいられなかった叔母さん(松嶋菜々子)の視点というのも十分伝わってくるのだけれど、見終わってみるとやっぱり「清太と節子の物語」なんだよね。後半、どんどんやつれていく二人も辛かったけど、特に節子を荼毘に付したあとの清太の表情は壮絶だった。
アニメでも薄々感じる清太のエゴ(言いすぎかもしれないけど)を、ドラマではもっとはっきり表現していた。節子のためとはいえ何もせずに家でじっとしていた事や、節子が栄養失調になった時点で頭を下げてでも家に戻らなかった事など。特に後者は、家に戻ればのたれ死ぬことだけは避けられたいのではないのか?という疑問の答えを、叔母さんが拒否した事によって不可能だったと示しているのでこの部分はアニメよりも納得できた。
ただ、エンディングはちょっと冷めてしまった…。「生まれ来る子供たちのために」はいいのだけれど、そこで映し出される世界のたくさん子供たち。清太とせっちゃんのモノクロの映像だけの方がよかったのではないかなぁ。急にバンドのPVが挿入されたようで、この3時間で心の中に沸きあがった感情がプッツリと途切れてしまったような気持ちになってしまった。