のんべんだらりといきましょう

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野ブタ。をプロデュース #9

アオイ(柊瑠美)怖ぇえよ!そして哀しすぎるよ!修二(亀梨和也)に信子(堀北真希)と彰(山下智久)がいなければ、他人に優しくなれる心が少しでも欠けていたなら、「自分は寂しい人間だ」と認める事が出来なければ、アオイと同じ方向へ進んでいっても不思議ではなかったんだろうなぁ。修二は何を考えているか分からないアオイを「怖い」と言っていたが、誰よりも彼女を理解していたのもまた修二であったわけだし。
自分が自殺する夢を見て涙を流すアオイだったけど、あの涙は「自殺」に対する恐怖ではなくて、「嫌ってでもいいから覚えていて欲しい」と願っていた自分の心に対する驚きや憐れみなのだろうか?アオイに関しては曖昧な描写が多かったけど、以前の修二のように本当の友達はいなかったんだろうし。修二たちの「仲良し3人組」に嫌悪感を抱いていたのは、自分もそういう友達が欲しかった、でも手に入らず作り方もわからない。そんな自分を惨めにしないためには、そういう人たちを見下してバカにするしかない。そんなものを欲しがっていると気がつくなんて、プライドが許さない。そういうドロドロした感情の中で一人で歩いていくために、感情の見えない攻撃的な人間になってしまったのかな。
芝生の上にできた人が倒れたような跡は、アオイの中にあった澱の抜け殻だったんだと思いたい。修二が自分のことを「俺には何もない」と気づく事が出来たように、アオイもこれがきっかけになって何かが変わってくれればいいなぁと思う。それでも、その後すぐに都合よく改心して「今までごめんなさい」と言わない所は見事だった。「つまらないから止める」とお守りを投げ捨てる所も最後までアオイという修二の裏キャラクターを貫いていたのではないだろうか。
まり子(戸田恵梨香)は、本当にいい女だったよ!最後まで「ペンキはまり子の仕業!」とかしつこく疑ってごめんなさい。信子とアオイの直接対決に割ってはいるのがまり子だったのも、すごく救いに感じた。「ずっと嘘をつかれている方が良かった?」と先週から気になっていた事をズバリと言ってくれたのも嬉しかったなぁ。そうなんだよ!修二・信子・彰ももちろん、迷いながらもしっかりと自分の足で立っているキャラクターだけど、ここの所のまり子はすでに大人っていうか人間が完成されているような気がします。ああ、本当にいい奴だよ…。