のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

おかしなふたり(後編)

さらにリズムに乗ってきた感じで、前編以上に面白かった。桜木(大泉洋)と奈津子(木村多江)のラブストーリーも違和感なかった。個人的にこの手のハートフルコメディにラブストーリーは不要…と思うことが多いのですが、しどろもどろな電話での会話やグローブ越しの握手はすごく良かったなー。
「父さんが本を読んであげるかなら…いきなりクライマックスから読んでやるからな〜」で、「解説」を読み始める辺りからはもうツボに入りまくりで、声に出して笑ってしまう場面が多かった。その後も直文(広田亮平)の送別会で、子供の日、お正月、クリスマス、ハロウィーン、お月見、節分が入り乱れるバカバカしいシュールさが最高でした。目覚めた直文の目の前に立ちつくす鬼担当の笹山(大杉漣)と渋々豆をまく直文、放置されるウサギ担当の三田村(手塚とおる)など、追い風が吹いているかのごとく面白かった。
復活荘に投函される立ち退きの要請や、送別会後に一列に並んで語る場面から、父と子の別れだけではなく復活荘の住人たち全ての別れが匂わされてすでに切ない気持ちに。記念写真の笑顔も良かったし、それまでのモノクロ写真がここに繋がっているのも見えて上手いなぁ〜と思ったよ。
最後の父と子の別れでは、大泉洋渾身の長セリフで父親の夢を語る場面で不覚にもジーンとしてしまった。エンドロール直前があの場面で突然終わるのには最初驚いたが(でも絵的には良かった)、最後の最後で更地になってしまった復活荘跡地を見せるのは余韻があってよかったと思う。
作品としてかなり面白かった思うので、ラテ欄の「父と子の感動ドラマの決定版!」などというありがちな煽りはむしろなくていいと思ったほどだ。