- 作者: 鬼頭莫宏
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1巻だけだとまだまだ助走という感じで、俄然面白くなってくるのは2巻から。全てのエピソードが見事に収束していくのがたまらない!!
以下ネタバレもあります。
「フリュクティドールの火葬」と「ヴァンデミエールの火葬」、この対になったふたつの話が特に好きだ。「フリュクティドールの〜」では、胞衣(胎盤)の役割をしてきた小屋に居心地の悪さを感じるヴァンデミエール。それは彼女が人形ゆえに持ち得ない機能であるからなのだが、「ヴァンデミエールの〜」では、そんな彼女自身が己の体を切り刻みながら赤ん坊と青年を守り育てる胞衣となる。妊娠線を自ら書いていたヴァンデミエールが、ついには母となったのはじんわりと心に沁みた。
一見バッドエンドばかりなのだが、それでもヴァンデミエールが慰み者の人形から、自我を持ち、自由を得て自立し、パートナーを得て、母となり、人間の女性となる過程を見ていると可哀相とか悲しいという言葉はそこになかったです。