のんべんだらりといきましょう

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カーネーション

最終週の感想です。

  • 26日(月) 糸子91歳。まだまだ元気!懐かしのデザイン画、神戸箱など思い出のアイテムが山のように。荷物を全てとっぱらってがらんとした2階を見回す糸子見てたら、この部屋では火傷した善ちゃんが寝てたなーとか、こっちの部屋ではチビ糸子や静子らが固まって寝てたよなーとか、糸子がうずくまって縫い物してたなとか、空襲の時みんなで寄り添いあってたよなとか、優子が色鉛筆で絵を描いてたよなとか、聡子のロンドン部屋にもなったんだよなとか、あんな事もこんな事もあったといろんな事を一気に思い出した。さよなら2階。
  • 27日(火) 2階がものすごく綺麗に!さすがサロン!!まったくかつての面影ないと思ったけど、通り沿いの窓(だんじり見る窓)だけは変わらないのね。変わるものと変わらないものがあるよね。久しぶりの着物リフォーム。はさみを入れられないって迷う女性の姿が、戦時中の「着物をもんぺに」の時と同じで懐かしかった。こういうのも変わるものと変わらないものだね。アホぼんずも45歳(だっけ?)か…。
  • 28日(水) 90歳すぎてなお毎日忙しい母を東京まで呼び出して自分の代役を頼む優子の鬼っぷりに笑った。そういう所がいかにも優子だなぁ。
  • 周防娘の登場で、まさかここで半世紀ぶりの復讐譚でも始まるのか!?と一瞬疑ってしまったじゃないですか!二人の邂逅後、周防娘に糸子が許されたのが何だかモヤモヤする…。娘役のあめくさんは若く見えたけど、糸子の年齢から考えるときっと60過ぎだよね。そうなると人生経験や時間から、いろんな事を許せるようになるんだろうね。だけど、もうすぐ幕を下ろすであろう糸子の人生で、ひとりくらい彼女を恨んでいる(っていうとキツイ言い方だけど)人がいたっていいんじゃないかなと思った。このドラマでは糸子だけじゃなく、いろんな人の人生も同時に感じられるから、その人にとって昇華されない思いや気持ちがあってもいいと思うし、そんな感情を受け止める糸子も見たかった。「みんなに愛されて許されて正しい糸子」が見たいわけじゃないんだよな。恨みながら生きていくなんて不毛だし、周防さんと糸子の話も何十年前なんだって話だから、ずっと恨んでるのもそれこそ現実的じゃないとも思う。だから、周防娘が糸子を見て、会話して納得して去っていくぐらいが私は良かったな。優子との会話の中で、周防娘が糸子絶賛するのはちょっと引いてしまいました…。優子と娘が幼い頃の一瞬を思い出して、互いに涙するのは分かる。優子だけがこの姉弟に直接出あって生の感情をぶつけられているわけだし、自分があの時母を庇った事も周防とその家族の人生を変えた要素になっているってのは分かっていただろうし。
  • なんて考えながらもう一回見たら、糸子が「長い人生があったからこそ、その記憶に打ちのめさせる事もあるし、そうなる事も望んでいる」…というようなナレーションが入っている事に気づいた。それが長生きする、老いるということなのかな。
  • 29日(木) このまま死んでしまいそうな糸子にビックリしながら明日へ続くだった。明日明後日どうなるのかな…。月曜日じゃないのにオープニングがロングバージョンでちょっとびっくり。冒頭で搬送される糸子が「あ?ここは?」みたいな事いってるから、もう天に召されて上から見てる糸子の呟きかと思ったじゃないかー!
  • 3人の娘それぞれ健在。慌てて飛んできた割にちゃんとお約束の上等そうなパジャマを持ってきたり、布団の中でも誰が一番早くきたか競い合ったりと、病院であることを全く無視して相変わらずの優子直子だった。でも、不安を隠すようにふざける姉妹や、病状を聞いて怖くて不安で涙してしまった事、幼い頃からの関係性が変わらないところなどはしんみり来た。糸子が娘たちを見つめる目には、深い愛情や去っていく娘への寂しさだとか、これまでのお礼だとか、そういういろんな思いが込められていたと思う。糸子が見つめると、3姉妹は子供のままに見えるんだよね。
  • 30日(金) 糸子死んじゃった…。死の瞬間を描かず、優子から聡子への電話ってのがまたジーンと来た。優子の電話が上手かったな。この3姉妹役のお三方、本当にこんなに演技できる人とは思わなかったよ。
  • すごく静かだなぁ、死を描いているからからなぁと不思議だったんだけど、これって糸子のナレーションが途切れたからか!これまでどれだけしゃべってたんだ…糸子の声がないだけでこんなに喪失感を覚えるなんて。何度も春を迎え、何度もだんじりを見て…と糸子の人生をずっと追いかけてきたものだから、チビ糸子オノマチ糸子夏木糸子の生が終わっちゃったんだなと感慨深いものがあった。
  • 31日(土) あ〜〜終わってしまった…。糸子のナレーションがないと静かだね。寂しさも増すね。ジョニーが今でも交流してて嬉しいな。そしてメタボ!最後のプレゼント、最大の奇跡は末期がんだった加奈子さんが元気そうだった事!奇跡があってもいいじゃないか!という気持ちと、看護師長は「もう長くはない末期がん」というニュアンスだったのにそんなミラクル…と言う気持ちがいろいろ混じってます。
  • カーネーション』が朝ドラ化したメタ構成にジーンと来た。だって、それを見ているのが奈津(だよね?)だったんだもの!善ちゃん、おかあちゃん、おばあちゃんはもちろん、おばちゃん、八重子さん、早くに亡くなった勘助や泰造兄ちゃん、周防さんや北村、そして糸子ですら見ることができなかった『カーネーション』をその中で生きてきた奈津だけが見ることが出来ているという状況に涙した。そして、その『カーネーション』の中で、再びチビ糸子とオノマチ糸子が見られて良かった!あーーここに繋がるのかー!「夢見てー愛してー駆け抜けたーー♪これはそのーお話ー♪ 」が本当にぐっときた…。第1話で見たのと同じ映像なのに、こんなにも愛おしい気持ちでもう一度見ることができるとは。「これはそのお話」の意味がすごくよく分かる。そして間髪いれずにオープニング曲。音楽と共に糸子の人生がばーーーーっと流れてきて涙涙。糸子が〜糸子がおる〜〜!もう1周、今日から1話が始まってもいいと思ったくらい。また糸子や善ちゃんやおばあちゃんや八重子さんや勘助や北村や奈津に会いたいよ。
  • 毎回のクレジット、回想でも、たとえ遺影だけであっても登場がある時は必ず最後は善ちゃんだった。そこにスタッフの愛と尊敬を感じていたけど、今回はオノマチがラストだったのにまた泣けた。半年間本当にありがとうございました。