のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

Aではない君と

2時間半のボリュームでこの重さ、見終わってドッと疲れました…。
翼が自分の罪に向き合えなかったのは、真実を伝えていなかったからか。根底には「お父さんが好き、お父さんに嫌われたくない」という気持ちがあった、だから本当の事を言って父親に拒絶されるのが怖かった。吉永は吉永で息子を想い、信じようとするから、そして翼が優しくて勇敢である事を知っているから、盗まれたスウェットから「自殺しようとしていたのではないか」と考えてしまう。翼はそんな吉永の想いを裏切りたくないと最後まで「答えたくありません」と口をつぐんでしまった。
事件から3年経った後の真相の告白だったが、3年という期間があったから吉永も息子の真実を受け入れられたんじゃないかなと思った。いくら息子と向き合うと決意しても、事件後の半年くらいでは、心がその準備に追い付かなかったかもしれない。だが、この3年間で事件、息子、相手の親、じっくり向き合って考えなければならなかったはず。
心を殺す、体を殺す、どうして体を殺す事しか罪にならないのか。人間は心と体で出来ているのにと考えると、本当に難しい。心はやり直せる、だが体は…となるが、心ならば本当にやり直せるのか?心が死んでしまう事はないのかとも考えてしまいます。
仲村トオルパパは、あの陰湿ないじめっ子の父親だし、こっちもどんなクズ父親が出てくるかと思ったけれど、息子を亡くした親の慟哭は胸を打つものがあった。ヤスケンさんの調査官も良かった。あと、出番は少ししかなかったにも関わらず、山﨑努さんもたいへん印象深かった。