のんべんだらりといきましょう

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神はサイコロを振らない #5

いよいよ本格的に他の乗客たちの物語が動き始めたようだ。割とあっさり目だったかな。もちろん必要な所はガッチリ押さえているけれど、それまでの流れ、例えば亮くん(小清水一揮)のママ(杏子)とパパ(鶴見辰吾)が離婚した経緯や、何故ホームレスになっていたのか…など、深く描かない所は徹底的にあっさりと流していたような気がする。その分の時間はヤス子(小林聡美)、哲也(山本太郎)、亜紀(ともさかりえ)に回すと言う風に。乗客たちの物語は、もちろん単体でも面白いけれど、ヤス子が変化していくための大切なエピソードなんだなぁと思いました。
彼ら物語がそれだけで完結しているのではなく、互いに密接に絡んでくる構成も好きだ。亮くんのパパが絶望の中にいた時に、彼を救ったのが瑠璃子成海璃子)のピアノだったこと。そしてその話を聞いた瑠璃子成海璃子)も救われたこと。鶴見慎吾の演技も良くてここはかなりじーんと来た。
あとは、402便が消息をたった後、ヤス子は一人で空を見ていたんじゃないか…と哲也が感じる所も良かったなぁ。最初は、お互いに理解する事が困難だと思われた消えた側と残された側の気持ちが、少しづつ相手に伝わっていく所は見ていて暖かい気持ちになる。いやー、やっぱり哲也はいいよー!「パイロット」というより「山男」がぴったりな直情型というのは笑えるけれど。
お笑い芸人を目指していた昇子(明星真由美)が物分り良く諦めた(と決まったわけではないのかもしれないが…)のが意外であった。みんな意外と物分りがいい。亜紀や哲也はともかく、誰一人として取り乱して泣き崩れる人がいないというのは、今更ながらにちょっと不思議な感じもする。
亜紀が「実は私は哲也が好きだった」とか言い出さないかとハラハラしてしまったよ。その展開は個人的に好みではないので、勘弁してもらえるといいなぁ。あと加藤教授(大杉漣)のヤス子のへ気持ちも、ヤス子のキレる姿に死んだ母を思い出した…とかのマザコン設定の方が何となく嬉しい。いや、本当に個人的な好みなんですけど。
そういえば、ヤス子が見た新聞のに載っていた「犯人は爆発頭の女」という記事が妙に気になる。思わず笑ってしまったではないか。