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チルドレン 伊坂幸太郎

チルドレン

チルドレン

なんと愛すべき男であるのか、陣内よ。いやー、とにかく陣内のメチャクチャ具合が楽しい。「バンク」での奔放ぶりは、「こいつ…なんとかしろ!」と思わずにはいられなかったが、その言動に付き合わされるうちに、どうにも憎めない愉快な男に見えてくる。陣内を見ていると「ああいう人間になりたい」と気恥ずかしい言葉を言ってしまいたくなる。
5つの連作は、どれもが心が温かくなるような穏やかな結末を迎えるが、その中でも一番好きなのは「チルドレン2」だ。ご都合主義になりかねない偶然や、先が読めすぎる展開かもしれないけれど、陣内が見せた「奇跡」にグッと来た。それでもいいじゃないか。
「イン」では、何故長瀬が陣内と気がつかなかったのか…の謎はすぐにピンと来るのだが、それだけで終わらず、その先にもう1つ騒動があるのが面白い。そうか!そういうことだったのかー!とニヤリとされられるシメも待っていた。