のんべんだらりといきましょう

はてなダイアリーから引っ越してきました。

八日目の蝉 #1

ツダカン…またこんなどーしよーもない男役で…。女も妻も悪いけど、諸悪の根源は間違いなくこの夫。女に子供を堕ろさせようと説得する時の、「今は時期が悪い、次はちゃんと産めるように」云々。「次」って言い方が怖いよ!男は「出せば次々赤子を授かる」とでも思っているのか…と身震いしました。で、結局女は二度と子供を産めない体になってしまったわけですが。たとえ中身はツダカンであっても、この役はきついなー!最後、娘に「お父さんみたいな人。父親になってくれない人だよ」と上から見下ろされて言われた時は、ざまぁと思ってしまった。
赤ちゃんを誘拐するってのはどう考えても正しくないし、浅はかだとも思うけれど、そういう状況に追い込まれてしまった過程を見ていると、女がその行為に至ってしまった心情は分かる気がする。しかも壇さんが赤ちゃんをぎゅうっと抱きしめている姿を見せられると、どうしても同情してしまうのです。赤ちゃん抱えて走っている時に、赤ちゃんの首がガクガクしていると、見ているこっちが激しく心配になるけれども、どういう逃避行を続け、どこへたどり着くのかが気になります。
妻の方も、エコー写真(だよね?)をファックスで送りつけるって尋常じゃない恐ろしさだけれど、浮気されてる妻目線で考えたらこれ以上家をかき回されたくないとか女としてのプライドとかそういうものをいろいろ含めて、仕方がないかなと言う気もする。まぁ、やりすぎたからこそ、赤ちゃんを誘拐されてしまったわけだろうけど。大きくなった娘のどこかよそよそしい姿が、もしかしたら「やりすぎた事」に対する罰なのかもしれないし。
女と赤ん坊の逃避行だけだと単調かなーと思ったのですが、ラストに20年後の描写もあって、しかもあの赤ん坊が今度は誘拐犯の女と同じ立場にいるんだってのを見たら、俄然面白くなってきました。20年後があるからこそ、余計にあの時の誘拐犯の女の行動が切なく見えてきそうです。