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潔く柔く 13 いくえみ綾

潔く柔く 13 (マーガレットコミックス)

潔く柔く 13 (マーガレットコミックス)

カンナ編クライマックスの最終巻。終わってしまいました。1巻を読んだ時は、こういう形の物語になるとは思いもよらなかったなぁ。カンナを中心に全ての話が関わりあっているという構成には唸らされた。長い間楽しませてもらいました。
以下、ネタバレもあります。
カンナ編は、ラスト1話だけが収録されていたせいもあるのか、割とあっさり終わってしまった印象。禄がカンナを抱きしめるところで、読んでいる方も思いがぶわっとあふれ出すんだろう…とは思うんだけど、カンナと禄の恋愛よりも、立ち止まっていたカンナがどう歩き出すのかに興味があったから(もちろんそのために禄の存在が必要であったんだけど)、個人的に「カンナはハルタの気持ちに応えられなかった」と分かるところと、カンナと朝美の再会及びそのやり取りの方がクライマックスのように思えました。かつてカンナがキヨに「ハルタの幽霊に会ったことある?」と問いかけていたが、カンナの心のしこりが取れてついにハルタに会えたのは、見てて本当に嬉しくなった。
番外編の『切々と』はスゲー良かった!!!本当に良かった!言ってしまえば本編最終回より良かった!百加の話は何故いつもこんなに面白い&胸に沁みるのだろうか。百加好きだなー。本編で見せた性格の悪いところも良いところもひっくるめて魅力的だ。「悲しくてもいいから みじめにならないように」で泣けたよ。古屋もいい男。飄々として顔色も変えずに実はヤキモチやいていたり、珍しく動揺した表情を見せたりと、これは…!とときめく要素満載だった。
これまでの登場人物も何人か出てて、変わりなく幸せそうだったのも良かった。かつて学生だったキャラが社会人になっても変わりなく幸せが続いていると描写してくれるいくえみ先生は優しいなぁ。キヨも、朝美もそうだった。例えば、もしマヤが亜衣じゃない誰か別の美人と歩いてる絵がいきなりあったらショックじゃないですか!そういうオチにしないのが嬉しいです。