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風をあつめて

難病(筋ジストロフィー)を抱えた子供2人に向き合い、苦悩しながらも変わっていく夫婦の物語。メインは父親です。
子供の病気を受け入れられない、向き合えない、健康な子供を諦めきれない父親の苦しみや弱さはすごく納得できた。心が折れそうになるのも分かる気がする。「障害児の親はなんでみんな『この子は神様がくれた』なんて言うのだろう。神様がいるのなら健常者の子供をくれたはずなのに」と父親が言う場面がるのだが、オブラートに包まず、こうもはっきりとしたセリフで言い放ったのは勇気があるなと思った。クライマックスで、わが子に手をかけそうになり「この子はなんのために生きているのか。このまま苦しむためにだけ生きるのか」と心情を激白する場面も、ヤスケンさんの渾身の演技も相まって考えさせられるものだった。
だけど、どうしても1点だけ引っかかってしまったのが、父親がもうひとり子供が欲しいと言いだした時の「次の子にもし障害があったら、俺も本気で筋ジスと向き合う」と言い出したこと。娘が生まれてすでに数年経っているのに、この人まだ本気で向き合っていなかったのか!!!!とビックリしたよ。それ以降、この宣言が気になってしまい父親の言動をどこか冷めて目で見てしまう気持ちもあった。これって、軽薄なたとえですが、「明日からダイエットするわ〜(甘いもの食べながら)」と言ってるのと変わらないんじゃ…と思えて仕方なかった。自分が嫁だったら、こんな事言い出す夫との子供もう一人産むなんてとても怖くてできないと思うよ。もちろん、こういうやり取り全てが父親の変化に繋がっていくというのは分かっているのですが、私の中でずっと引っかかってしまいました。
苦悩する父親は見てて辛かったが、強くたくましく夫を支え続けた母親と理解のある上司が彼のそばにずっといたのが救いだった。
あ、ドラマタイトルからはっぴいえんどの「風をあつめて」も関係あるのかと期待していたんですが、これは特に何もありませんでした。