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ぼくらの10 鬼頭莫宏

ぼくらの 10 (IKKI COMIX)

ぼくらの 10 (IKKI COMIX)

あああぁぁぁぁぁあああ!何でだーーー!!! これまでで一番衝撃を受けた展開でした。
以下、ネタバレです。





マチ編。
マチ可愛い。すんごい可愛い。今までどこに隠れてたの?ってくらい可愛かったー。いろいろなことがあって、これまでとは変わってきたウシロもマチの勢いにつられてかとても表情豊かになっていて、この後は絶望しか待っていないと分かっていながらもなんだか和んでしまったよ。死んでいった仲間の家族のもとへ訪問する時も、いつ戦闘が始まるのか、最後までちゃんとまわれるのか?と気にしながら読んだ。無事にまわれて良かったよ。そこでもそれぞれの家族の境遇に涙してしまったんだけど、特にマキの父ちゃんと母ちゃんがね…怒ったときにお尻をひっぱたくのでマキを思い出してまた涙。あの時の赤ん坊が健やかに育っていて良かったよ。ただ、どうしても理解できないのは、チズの家族が変態教師を許していること。チズの犯した罪を考えればってもの分かるけど、姉が「彼には彼の考えがある」だなんてそんな人ごとみたいに…。
で、その後の衝撃。本っ当にビックリした!!!直前のあのラブコメほのぼのムードは何だったの!?動揺しすぎて泣くとかそんなレベルじゃなかったよ。あんな可愛い顔を見せられた後だったから、包帯姿にまたドーンと突き落とされた。
マチの事もショックだが、一人残されたウシロもちゃんと戦えるのかと、そっちも気になったり。カンジ、カナちゃん、田中さん、マチと立て続けに亡くすって、本当にウシロを追いつめるのに周到に準備されていて怖いわ。マチが病院へ転送された後のウシロの表情が痛々しすぎる。作者は、予め全員のエピソードをがっちり作ってから描いていると思うんだけど、このタイミングでこんな展開になるなんて本当にすごいよ…。
ラストに登場したマチは、ウシロたちの地球の本物のマチってことだよね。入れ物は作れても魂は乗せられない云々があったから、別にマチがこの地球のマチに化けていたとかいう訳じゃなくて、コエムシの妹のマチとこの地球のマチは偶然にも同時に存在していた(平行世界だから?)ってこと?コエムシがマチの事を「洋子」と呼んでいたんだから、彼女の名前も町洋子ってことなんだろうし。で、コエムシは本物のマチを夏以来ずっとどこかに隠していた?のかな。そういえば、「生まれ変わり」の話も出てきたけど、何か関係してくるのだろうか。
最後のパイロットは、もとの姿に戻ったコエムシがなるのかなぁ。「別の地球の人間でもパイロットになれる」「引継ぎ戦には新たなサポートがつく」訳だから、ウシロ戦が終わればコエムシも契約できるものね。新たなサポートはササミさんあたりなのかなー。って、ササミさんもあの姿になるのか!?
この作者の描く大きなコマって印象的なものが多い。モジが手術室に向かうときの見開き、カナちゃん編の最後のコマ(敵のコックピットをつかんでいるジアースを見上げる絵)、あと、今回の「待ってるから」と「オレがやる」の見開き。読んでいて余韻を感じます。